日本学術振興会

審査・評価について

科研費の配分審査の基本的な考え方は、文部科学省の諮問機関である科学技術・学術審議会が決定する「独立行政法人日本学術振興会が行う科学研究費助成事業の審査の基本的考え方」に拠っています。これを踏まえて本会の科学研究費委員会が決定した審査規程等に則り、科学研究費委員会の各部会が配分審査を行います。

新着情報

審査について

審査規程等

審査における評定基準等(令和7(2025)年度)

評定基準等 Assessment Criteria

審査の手引(特別推進研究及び基盤研究(S)は評価の手引を含む)

審査の手引 Guidelines on Review 公開日
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和6(2024)年12月)
(令和7(2025)年7月)
(令和7(2025)年7月)
(令和6(2024)年7月)
(令和6(2024)年7月)
(令和6(2024)年7月)
(令和6(2024)年10月)

審査の総括

審査の流れ

【2段階書面審査】(例)―「基盤研究(B・C)」、「若手研究」、「挑戦的研究(萌芽)」―

「基盤研究(B)」は1課題当たり5名(注1)の審査委員が、「基盤研究(C)」、「若手研究」は、1課題当たり3名の審査委員が、「挑戦的研究(萌芽)」は1課題当たり7名から8名の審査委員が審査を実施します。なお、応募件数が多い場合には、プレスクリーニング(事前の選考)(「挑戦的研究」のみ)を活用し、審査を行います。

①1段階目の書面審査(小区分(注1、2)ごと)
1課題あたり、小区分(注1、2)ごとに配置された複数名の審査委員が書面審査(相対評価)を実施。
②2段階目の書面審査(小区分(注1、2)ごと)
1段階目の書面審査の集計結果を基に、他の委員の個別の審査意見も参考にし、主にボーダーライン付近の研究課題を対象に2段階目の評点を付す。

(注1)「基盤研究(B)」において著しく応募件数の少ない状況にある一部の小区分については、複数の小区分での合同審査を5~10名の審査委員により実施します。
(注2)「挑戦的研究(萌芽)」は、中区分ごとに審査を行います。
 
【2段階書面審査】(例)「基盤研究(B・C)」、「若手研究」、「挑戦的研究(萌芽)」

【総合審査】(例)―「基盤研究(A)」、「挑戦的研究(開拓)」―

「基盤研究(A)」、「挑戦的研究(開拓)」は1課題当たり7名から8名の審査委員が配置され、書面審査及び多角的でより丁寧な合議審査を実施します。なお、応募件数が多い場合には、プレスクリーニング(事前の選考)(「挑戦的研究」のみ)や応募研究課題の機械的分割(注3)を活用し、審査を行います。

①書面審査(中区分ごと)
1課題当たり、より幅広い分野にわたって(中区分ごと)配置された複数名の審査委員が書面審査(相対評価)を実施。
②合議審査(中区分ごと)
書面審査の累計結果をもとに、書面審査と同一の審査委員が合議によって多角的な審査を実施し、採否を決定。

(注3)応募件数が多数の審査区分において、審査委員の負担を軽減するために審査グループを複数設定し、応募研究課題をランダムに振り分けて審査を実施します。なお、応募研究課題は同一の研究機関からの応募が偏らないように配慮します。
 
【総合審査】(例)「基盤研究(A)」、「挑戦的研究(開拓)」
「基盤研究(S)」等の審査では、「総合審査」に加え、専門性に配慮するため、専門分野に近い研究者が作成する審査意見書を作成します。
 

科学研究費委員会

審査委員の選考

科研費の審査委員の選考は、以下の手順で行われます。
1. 日本学術振興会学術システム研究センター(プログラムオフィサーに相当する研究員で構成)において、日本学術振興会審査委員候補者データベースを活用し、各専門調査班毎に候補者の選定作業を行い、同センターの主任研究員会議における調整を踏まえ、候補者案が決定されます。
2. 作成された候補者案にもとづき、日本学術振興会にて審査委員を決定します。
注)平成30年度より、審査委員の任期は原則として最長で3年です。

候補者の選考の条件及び配慮事項は次のとおりです。
[条件]
科学研究費助成事業の制度を理解し、かつ当該学術研究分野に精通し、公正で十分な評価能力を有する者であること。

[配慮事項]
(1)    科学研究費助成事業全体の審査委員の平均年齢の引き下げ及び各研究種目に応じた審査委員候補者の年齢構成バランス。(若手・中堅層の研究者の積極的な選考等。)
(2)    女性研究者の積極的な選考。
(3)    審査委員候補者が所属する研究機関バランス。
(4)    審査委員を選考するに当たっては、特に、以下の点に注意すること。
  1. 各小委員会の構成は、同一の研究機関に所属する者の割合が3分の1を超えないこと。ただし、真にやむを得ないと判断される場合は、この限りでない。
  2. 科学研究費委員会の複数の小委員会の審査委員を兼ねないこと。ただし、研究成果公開促進費に係る審査委員のうち、ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHIの審査委員は、この限りでない。
  3. 当該審査区分において幅広い視野からの審査が可能となるよう、各審査委員の審査可能区分等を考慮して選考すること。
  4. 任期を終えた審査委員は連続して選考しないこと。ただし、真にやむを得ないと判断される場合は、この限りでない。
  5. 不正行為を行った者や過去に適正さを欠く審査をしたと判断される者は選考しないこと。
上記に加え、審査委員の選考に当たっては、国際的な視野を持つ者であることにも配慮すること。特に国際共同研究加速基金の審査委員の選考に当たっては、国際的な環境における学術研究活動の経験と研究実績を十分に有する者であることにも配慮すること。

審査委員をお引き受けいただくにあたって

◇ 科研費制度は応募・審査とも研究者の⽀えがなくては成り⽴ちません。
◇ 科研費の審査は「建設的相互批判の精神」に則ったピアレビューであり、これは⽇本の学術研究の将来を左右する重要なプロセスです。
◇ 審査委員には名誉と責任あるピアレビューアーの役割が任されるため、その責務を果たすことが研究者に求められます。

◆ 審査委員には次のようなメリットもあります

● ⽇本の学術振興や研究者コミュニティに⼤きく貢献できます
  – 質の⾼い審査そのものが⽇本の学術研究や研究者コミュニティの発展につながる重要な役割を担っています。
● 最新の研究のトレンドに触れることができます
  – 周辺分野も含めた最先端の研究提案を審査することで、学術的視野を広げる貴重な機会が得られます。
●  科研費の審査プロセスを体験することができます
  – 審査を⾝をもって経験することでどのような観点で審査を⾏っているかがわかり、⾃⾝の科研費応募の際の参考となります。
● 読み⼿に伝わりやすい研究計画調書の書き⽅を知ることができます
  – 科研費に限らず、申請書の作成能⼒の向上につながります。
● 他の審査委員の意⾒に触れ、異なる視点や評価軸を知ることができます(合議審査では他の委員と直接議論する機会もあります)
  – ⾃分の専⾨分野だけでなく周辺分野の知⾒や異なるものの⾒⽅を知ることで、新しい発⾒や発想の転換につながります。

審査結果の開示

 審査の結果については、応募された研究者本人が所属する研究機関事務局を通じて(国際共同研究加速基金(帰国発展研究)については応募者本人に直接)お知らせします。また、基盤研究、挑戦的研究、若手研究、研究活動スタート支援、国際共同研究加速基金(帰国発展研究)の研究種目において不採択になった方で、応募時点で結果の開示を希望された方には、書面審査(1段階目の審査)等の結果、所見等(種目によって異なります)を電子的開示により科学研究費委員会よりお送りしております。

評価について