日本学術振興会

選考方法

特別研究員の選考は、我が国の第一線の研究者で構成される特別研究員等審査会(約1,800人)において行われています。

I. 特別研究員-DC、特別研究員-PDの選考方法

※令和7(2025)年度採用分募集要項公表時の内容です。

審査方針

(1)   自身の研究課題設定に至る背景が示されており、かつその着想が優れていること。また、研究の方法にオリジナリティがあり、自身の研究課題の今後の展望が示されていること。
(2)   学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること。
(3)    特別研究員-PDについては、博士課程での研究の単なる継続ではなく、新たな研究環境に身を置いて、自らの研究者としての能力を一層伸ばす意欲が見られること。
(4)   特別研究員-PDについては、やむを得ない事由がある場合を除き、大学院博士課程在学当時(修士課程として取り扱われる大学院博士課程前期は含まない)の所属研究機関(出身研究機関)を受入研究機関に選定する者、及び大学院博士課程在学当時の学籍上の研究指導者を受入研究者に選定する者は採用しない。

※研究機関移動の要件について、研究機関移動と認められるか否かは採否の重要な判断基準となります。詳細は「募集要項」及び後述「Ⅲ 特別研究員-PDの受入研究機関等の選定について」をご覧ください。
[留意事項] 人権の保護及び法令等の遵守への対応について
 研究計画を遂行するに当たって、相手方の同意・協力を必要とする研究、個人情報の取り扱いの配慮を必要とする研究、生命倫理・安全対策に対する取組を必要とする研究や安全保障貿易管理を必要とする研究など指針・法令等(国際共同研究を行う国・地域の指針・法令等を含む)に基づく手続が必要な研究が含まれている場合、講じる対策と措置についても併せて確認しています。例えば、個人情報を伴うアンケート調査・インタビュー調査、行動調査(個人履歴・映像を含む)、国内外の文化遺産の調査等、提供を受けた試料の使用、侵襲性を伴う研究、ヒト遺伝子解析研究、遺伝子組換え実験、動物実験、機微技術に関わる研究など、研究機関内外の情報委員会や倫理委員会等における承認手続が必要となる調査・研究・実験などが対象となります。

審査の流れ

 特別研究員-DC及び特別研究員-PDの選考は、関連する審査区分を組み合わせて設定されたグループ(以下「書面審査セット」(※)という。)に分かれ、複数かつ同一の特別研究員等審査会審査委員(以下「審査委員」という。)が二段階にわたり、同じ書面審査セットの複数の申請について独立して書面による審査を実施する「二段階の書面審査」方式によって行われます。
 一段階目の書面審査では、申請書類に基づき、申請者の研究能力・将来性等について評価を行い、評点及び審査意見を付します。一段階目の書面審査結果を踏まえ、採用内定数の上位80%~120%の申請者を「ボーダーゾーン」として、二段階目の書面審査対象とします。
 二段階目の書面審査では、一段階目の書面審査において他の審査委員が付した総合評価の評点及び審査意見も参考に、改めて同一の審査委員による書面審査を行います。なお、一段階目の書面審査を担当した審査委員の氏名、所属、職名は、他の審査委員には提示されません。
 最終的には、一段階目の書面審査結果における上位の申請者及び二段階目の書面審査結果における上位の申請者が、採用内定者として決定されます。

※書面審査セットについて
 各書面審査セットに含まれる審査区分については、「審査区分表」ページ内の「書面審査セット」の項目を参照してください。
 また、審査区分の詳細については、「審査区分表」を参照してください。各書面審査セットに配置される審査員については、専門分野のバランス、各審査員の所属機関が異なるようにする等、公平性に配慮しています。
特別研究員審査の流れ_DC・PD
特別研究員-DC、PDの書面審査の流れのイメージ図です。
一段階目の書面審査では、1申請あたり、書面審査セット毎に配置された原則6名の審査委員が書面審査(相対評価)を実施します。
二段階目の書面審査では、一段階目の書面審査の結果、ボーダーゾーンとなった申請を対象に、他の審査委員の一段階目の評価及び審査意見も参考に改めて二段階目の評点を付し、採否を決定します。

 

審査項目及び評点の付し方

 一段階目の書面審査では、①「研究計画の着想及びオリジナリティ」、②「研究者としての資質」の2つの項目ごとに、絶対評価により5段階の評点(5:非常に優れている、4:優れている、3:良好である、2:普通である、1:見劣りする)を付します。その後、上記2項目の点数を踏まえて、総合的に研究者としての資質及び能力を判断した上で、書面審査セット内での相対評価により5段階の総合評価の評点(評点は5~1。評点5が最も採用を強く推奨する。)を付します。
 二段階目の書面審査では、一段階目の書面審査において他の審査員が付した総合評価の評点及び審査意見を参考に、改めて4段階の評点(二段階目の審査の対象となった申請のうち、A:採用を強く推奨するもの、B:採用を推奨するもの、C:採用してもよいもの、D:A~Cに入らないもの)を付します。

II. 選考結果の開示について

 選考結果は、申請者及び申請機関に対し、電子申請システムにより開示します。
 なお、不採用者及びその申請機関には、該当する書面審査セットにおける不採用者のうちのおおよその順位を電子申請システムにより開示します。また、不採用者には、これに加え、特別研究員等審査会における各審査項目の評価についても電子申請システムにより開示します。
 選考結果の開示時期については、「募集要項」及び「選考日程」を参照してください。

III. 特別研究員-PDの受入研究機関等の選定について

 特別研究員-PDの申請資格審査についてはガイドラインを公開しております。過去の申請資格審査の実施状況と合わせて参照してください。
 研究機関移動が認められるか否かについては、「二段階の書面審査」において総合判定を行います。
 また、申請資格に係る審査結果は特別研究員の合否にかかわらず、電子申請システムにより申請者に開示します。