日本学術振興会

制度の概要(PD・DC2・DC1)

将来の学術研究を担う優れた若手研究者を養成・確保するため、日本学術振興会は、学術審議会答申「学術研究体制の改善のための基本的施策について」(昭和59年2月6日)に基づき、昭和60年度に特別研究員制度を創設しました。

「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び博士の学位取得者で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、支援する制度です。

学術審議会建議「特別研究員制度の改善充実について-若手研究者の養成・確保のために-(平成2年7月31日)」の趣旨に沿って、将来、我が国の指導的研究者となる意欲と優れた能力を有する者が進んで博士課程後期に進学することを奨励するため、平成3年度から、大学院博士課程在学者を対象とする特別研究員-DCの採用について、それまで、博士課程後期第2年次からとなっていた資格を第1年次在学者からとすることにし、この者に係る採用期間も3年間とすることとしました。

学術審議会中間まとめ「21世紀に向けての研究者の養成・確保について」(平成7年7月)の提言を受けて、平成8年度から特別研究員-PD(博士学位取得者)の採用期間を3年間としました。

国の特殊法人改革の一環として、科学技術振興事業団が実施する科学技術特別研究員事業が平成13年度をもって募集を終了し、平成14年度の新規採用分からは特別研究員事業において、研究員の受入機関を拡充し、我が国の大学等学術研究機関のみならず、国公立試験研究機関等での受入が可能となりました。

学位取得後の早い段階から研究の場を当該若手研究者の出身大学・研究科等以外の場とすることは、多様な研究環境の選択による研究者自身の研究能力の向上に繋がり、また、異なる経験を持つ若手研究者の受入による受入研究機関の研究の活性化などの観点から非常に重要であることから、平成15年度採用分特別研究員-PDから、採用後、研究に従事する研究室を大学院在学当時の所属研究室(出身研究室)以外の研究室とすることを申請時の条件に付加することとしました。さらに平成28年度採用分からは、研究に従事する研究機関を大学院在学当時の所属研究機関(出身研究機関)以外の研究機関とするよう求めています。

社会人を経て大学院博士課程に入学する者が増加し、研究者へのキャリアパスが多様化していることなどを背景として、平成26年度採用分より、年齢制限を廃止しました。

人文学・社会科学分野においては、平成29年度採用分まで満期退学者も特別研究員-PDとして採用していましたが、人文学・社会科学分野における学位授与率の上昇や、人文学・社会科学と自然科学との融合領域および境界領域の増大などの近年の状況を勘案し、平成30年度採用分より、博士の学位取得者のみを特別研究員-PDとして採用することとしました。

従来雇用関係を有していなかった特別研究員-PD、RPDを受入研究機関で雇用することが可能となるよう、令和5年度に「研究環境向上のための若手研究者雇用支援事業」を創設しました。特別研究員制度の趣旨に賛同し特別研究員-PD、RPD、を雇用して積極的に優秀な若手研究者の確保・育成に取り組むことを希望する研究機関に対し、本事業及び「科学研究費助成事業特別研究員奨励費(雇用PD等)」により雇用に係る経費を支援することとしました。