日本学術振興会

採用経験者の声

若手研究者海外挑戦プログラムでこれから海外に派遣予定の方又は申請を検討している方への情報発信の一環として、採用経験者からの声を掲載します。

※個人の経験に基づいたものです。ビザ等の実際の手続きは、各国大使館のウェブサイト等をご確認ください。

北米

アメリカ

(平成29年度採用・工学・カリフォルニア大学・151日間)

ヨーロッパ

イギリス

イギリスビザの3ステップ
  1. 派遣先の機関からビザ申請に必要なCOS番号を発行してもらうために、10種類程度の書類が必要です。
    (日本学術振興会や所属大学に書類作成を依頼し、時には地震でフォーマットを作ります。)
  2. COS番号を取得後、さらに7種類程度の書類を用意します。
    (各書類作成には大体1週間程度必要です。)
  3. ビザ申請後、期限内にビザを取得するためには、ビザセンターにて「優先サービス(約3万円)」の必要が必要となります。
    (これを申し込まないと、8か月以上返答がないのは当たり前という状況です。これは、ビザの手続きを行う機関が民間に変わり、システムが上手く機能していないためです。)

最大の難点は、日本とイギリスで書類作成上の留意点が大幅に異なることです。
もし期限に間に合わなければ、1.からリスタートです。渡航2か月~3か月前にビザ申請を行えるよう心掛けてください。
(私は、1か月前に申請し、渡航2日前に取得しました。)

(平成29年度採用・社会科学・オックスフォード大学・297日間)

フランス

フランスで撮影した写真
フランスの食といえば、何を想うでしょうか。ワインにチーズ、綺麗に飾られた食卓で、大切な人と心地よい交流のひとときを...確かに「良き食べ手」ではありますが、直面する課題は私たちと大きく変わらないのかもしれません。日々の仕事や育児に忙殺され、農薬やGMOなどの健康リスクに絶えず怯え、環境や社会に責任をもち倫理的に食べろと要請される。

私は、従来の研究がスポットライトを当ててきた「高級」なガストロノミーではなく、日常生活の様々な課題を最大限の工夫によって乗り越えて実現される飲食の芸術、そんな「等身大」のガストロノミーを探しています。

文献に顔を埋めては、食処へインタビューに向かい、カオスなデータと小さな興奮をもちかえり、また文献に顔を埋める。時には実際に発話されたレシピを台所で再現し、味わい、彼らと同じ目線で考えたりもします。こうした厚みのある調査は、短期調査では難しく、今回支援をいただいた長期調査でやっと可能になるものでした。

こんな食事日記のような報告まで読んでくれる方であれば、きっと心を決めているでしょうか。誰のための、何のための研究なのかーもう一度だけ頭を振り絞ってみて、それでもダメなら美味しいものでも食べて...良い研究計画が書けることを祈っています。
 
(平成29年度採用・農学・トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学・365日間)

オセアニア

オーストラリア

脳波データ計測の講習時の写真
私の研究分野は言語音声と外国語習得です。同分野でもトップレベルである受入機関で、中でも著名な受入研究者の元で研究を行えたことは、実り多き経験であるとともに、大きな自信に繋がりました。

例えば、派遣先は心理学・脳科学に重点を置く研究機関であり、言語教育に重きを置く本属の研究科では経験できなかったノウハウを得ることができました。写真は脳波(EEG)データ計測の講習時に撮影したもので、データの分析方法についても細かく教えていただきました。

また、受入研究者や周囲の研究者も研究に熱心にアドバイスをしてくださり、研究成果に関して、国際的な共同研究として学術誌へ論文投稿を行う方向で調整を進めています。

このように、中長期の海外研究に従事することは研究者として非常に大きな一歩になります。私は今回が初の海外経験ではありませんでしたが、初めての場合はより一層多くのことを学ぶ機会であると思います。積極的に応募してみてください。
 
(平成29年度採用・人文学・ウェスタンシドニー大学・151日間)