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第3回日仏先端科学(JFFoS)シンポジウム実施報告
Planning Group Member 日本側主査 |
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平成21年1月24日(土)から1月26日(月)まで,湘南国際村で第3回日仏先端科学シンポジウム(JFFoS)が開催され,筆者は日本側プランニンググループメンバー(PGM)主査として参加した.先端科学シンポジウム(FoS)事業は,新進気鋭の若手研究者(45歳以下)による異分野間での最先端科学についての討議を通じて,新しい学問領域の開拓に貢献するとともに,次世代のリーダーを育成することを目的としている.JFFoSは,日仏8分野の若手トップ研究者約80名らと3日間缶詰めになり,刺激的な講演などを通じて知り合いになるおそらく唯一の機会であり,貴重な時間を割いて参加する価値は十分ある. JFFoSの際立った特徴として,表に示す科学の8分野に関する8セッションから主に構成されることがあげられる.各セッションは,セッションチェアによる15-20分間にわたる分野の全体説明とセッショントピックが先端科学である理由の紹介から始まり,日仏各1名のスピーカーによる20-25分間にわたる自分の研究を主とした講演に続き,約45分間にわたる全体討論で終わった.
科学の高度化に伴い専門化が進み,研究コミュニティの規模が縮小しがちな現代において,JFFoSのように幅広い科学分野に関するシンポジウムは珍しく,普段は縁がない他分野の最先端研究を学べて刺激的であった.JFFoSには,チェアとスピーカーの努力,配布される専門用語集,約3ヶ月前に行われる日本側事前検討会,日仏PGMらによる適切なセッショントピックの民主的な選定など,各セッションを有意義とするための仕掛けが多数存在する.さらに,日本側は日本学術振興会(特にFoS事業委員会と国際事業部研究協力第二課)および湘南国際村センター,フランス側は国立科学研究センター(CNRS),高等教育研究省(MESR),外務省(MAEE)等が効率的な運営と強力な援助を提供していただいた.関係者諸氏に深く感謝する. 著者が参加した過去のFoSに比較して,今回のJFFoSは比較的近い分野の研究者同士による実質的な討論が多かったと感じた.比較的近いといっても通常の学会ではありえないような異分野であるが,セッション外でも有意義な協力関係が多数開始されたと思われ,筆者も今回のJFFoSでその幸運に恵まれた.これとは別に,協力関係が築けないほど遠い分野の研究者による,素人然としているが本質をついた質問もFoSの大きな魅力であり,今回のJFFoSでもそのような質問が会場を沸かせた. JFFoSのもうひとつの大きな特徴として,日仏の2カ国間シンポジウムであることがあげられる.地球規模の問題が山積する現在,個人的な友情に根ざす国際協調と科学研究が産み出す技術革新の価値がかつてないほど高まっている.JFFoSは科学交流を通じてそのような友情を産み育てる機会であると見なせ,その参加者であるわれわれは,少なくともこの3日間は日仏の科学交流に積極的に貢献したという満足感を得た.もちろん,実質的な科学交流が始まる契機となる場合もあり,たとえば筆者は前回のJFFoSを契機に某予算が当たり,日仏プロジェクトを半年前に開始した. 2カ国8分野と大きな母集団から選ばれたきわめて優秀な研究者たちと3日間缶詰めになるということは,想像外の効果があり,FoSの最大の魅力はそのような方々と知り合いになることだと思う.最初はシンポジウムなどに関する当たり障りない会話から始まり,全てにわたり大きく異なるが本質は共有する研究の議論に進み,共通の知人がいることに喜び,互いの境遇や見識に驚き,時には激しくしかし冷静に議論するなど,大いに有意義であった.著名な学術ジャーナルに留まらず,一般メディアにたびたび登場されている方々もおり,実際初日はテレビ局が一人の方を密着取材し,数日前に放映された.過去のFoSでは,シンポジウム後に参加者のお名前やお写真を種々のメディアで拝見する機会が何度もあり,今回のJFFoSもそうなりつつある. 最終日には,フランス大使館にてレセプションが開催され,フランス大使や日本学術振興会学術最高顧問など,日仏科学交流にゆかりがあり普段はお話できない方々も多数参加された.特に,前回のJFFoSに日本側代表として参加され,その後ノーベル物理学賞を受賞された小林誠理事がご出席されたことは一同望外の喜びであり,名刺交換と記念撮影のために長い列が出来た.なお,第4回JFFoSはFuturoscopeでの開催を予定しており,詳細は日本学術振興会ウェブページからたどることができる. |
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