日本学術振興会

R075AI活用による医食同源戦略委員会

活動目的

健康社会を目的に、「未病マーカー」「栄養性、感覚・嗜好性、健康機能性」「心身のwell-being」「データサイエンス・AI」「新可視化技術」「一人ひとりの健康情報」を基盤に、持続可能な医食同源戦略を目指しています。

活動内容

持続可能な健康社会の実現に向けて、私たちは、①未病バイオマーカー、②栄養、感覚・嗜好性、健康機能の相乗効果、③心身の健康、④変革的なデータサイエンスとAI、⑤高度な可視化技術、そして⑥パーソナライズされた健康情報に基づき、「医食同源」の戦略構築を目指します。私たちの活動は、これらの基盤となる柱を「食」という視点から綿密に評価し、AIの持つ革新的なポテンシャルを活かして、学術研究と産業応用をシームレスに融合させることを目指しています。この先駆的なアプローチは、食を健康と活力の持続に向けた積極的な手段とし、循環型で健康志向の高い社会の実現を推進するという私たちのコミットメントを強調しています。

具体的には、定期的な研究会、専門ワーキンググループ、情報交換フォーラム、公開シンポジウムの開催、国内外の学会発表、教育ワークショップの開催などを通じて、日本の伝統的な食生活の考え方である「医食同源」を、AI社会における最先端の戦略へと昇華させることを目指しています。AIを活用した食生活変革を通して、一人ひとりが健康で持続可能な社会の実現に積極的に貢献できるよう支援します。これらの活動を通して、以下の4つの成果を創出します。

(1) 6つの基盤技術を横断する学術研究を推進し、食品の3つの基本機能(一次機能(栄養)、二次機能(嗜好性)、三次機能(生体調節))の向上に向けた新たな知見と価値を創出します。これにより、食品科学における世界的なイノベーションを牽引し、人類の健康と食生活の豊かさを大きく向上させる新たなフロンティアを開拓します。

(2) 6つの基盤技術と人工知能を活用し、「医食同源」という伝統的な概念を、将来を見据えた戦略的枠組みへと変革します。このアプローチにより、食の価値を裏付ける明確な科学的エビデンスを提供し、国際基準との整合性を確保し、日本をエビデンスに基づく食生活における世界のリーダーへと位置付けます。

(3) 科学的根拠に基づく研究開発への業界の投資の増加を刺激し、先駆的なイノベーションと独自の世界的に競争力のある食品の創出を可能にします。

(4) 健康寿命の延伸に貢献し、医療費や高齢者介護費を効果的に削減し、従業員の健康と福祉を優先する企業の取り組みを推進します。

設定期間

令和7年4月1日~令和12年3月31日

委員構成(活動開始時)

学界40名  産業界64名  委員総数104名

委員長

阿部 啓子 東京大学 名誉教授