日本学術振興会

R052DXプラズマプロセス委員会

活動目的

DXプラズマプロセス委員会では、「プラズマ材料科学」と「情報科学」の分野融合に産学協力事業として取り組むことにより、データサイエンス/デジタルトランスフォーメーション(DX)に基づいたプラズマプロセスの科学的現象解明とその解明プロセスの産業応用、さらにはプラズマ装置設計最適化の超高速化を推進することを目的としています。

活動内容

プラズマ材料科学は、半導体製造技術に代表されるように、我が国の現・未来産業を支える基盤であり、産学共に重要な研究分野といえます。一方、情報科学では、利用可能な大量データを取り扱い、機械学習・強化学習を行うことや、さらには量子アニーリング型/量子ゲート型コンピューティングが既に提案され、最適化問題の超高速処理が可能となる手法が確立してきています。
DXプラズマプロセス委員会では、極複雑系を有する「プラズマ材料科学」の社会実装への道筋に対して、立ちはだかる共通課題の抽出、解決法の検討および社会実装を、「情報科学」を駆使して推進していきます。
本委員会で扱う極複雑系のプラズマ材料科学分野においては、この情報科学は(i)プラズマ物理・化学のサイエンスにおけるデータ不足からくる未解明現象の科学的解明、(ii)産業応用におけるプラズマ材料生成・プラズマ装置の最適化問題・社会実装、の両者に革新的に貢献できると考えております。また、情報科学とプラズマ材料科学に関連する学界・産業界の交流を促進することにより、(iii)情報科学分野においても、極複雑系マルチスケール問題への適用法の探索とその展開や応用先の開拓、さらには、(iv)次世代量子計算機製造用プラズマプロセスの強化とその装置設計・社会実装の加速等、幅広い展開が見込めると考えています。
そのために本委員会では、データサイエンス/DXに基づいたプラズマプロセスの現象解明とその産業応用を推進すべく、プラズマ材料科学の学界委員、プラズマを用いた、あるいは用いようとしている産業界委員、および情報科学分野における学界・産業界委員に対して、次の活動を実施します。
  •  研究会:プラズマ材料科学×データサイエンス/DXに関連する講演と討論。
  •  基礎講座:プラズマ材料科学およびデータサイエンス/DXにおける産学協力に必要な初心者向けの講座。
  •  個別講習会:特定テーマに関する講習会を産業界会員の希望に応じて開催。
  •  HPを用いた情報共有:本委員会での活動に関する資料をアーカイブ化。産学協力を加速する「知」を積極的に提供。
これらの活動を通して、図1に示しますように、既に技術として適用が進められている①機械学習・強化学習の強化と、他の分野で成果報告がある②量子アニーリングのプラズマ材料科学への適用と実装、③量子ゲートの導入などの情報科学とプラズマ材料科学との融合に関する未来の構想を設立、さらに④若手人材育成の4点を、5年間の設置期間の間に実施していきたいと考えています。
 
DXに基づいたプラズマ材料科学の深化について

設定期間

令和5年4月1日~令和10年3月31日

委員構成(活動開始時)

学界40名  産業界35名  委員総数75名 

委員長

金子 俊郎 東北大学 教授