日本学術振興会

第14回HOPEミーティング開催概要

日時:2023年2月27日(月)~3月3日(金)
会場:つくば国際会議場(茨城県)
対象分野:物理学、化学、生理学・医学及び関連分野 
主催:独立行政法人日本学術振興会
参加者全体写真

参加者

アジア・太平洋・アフリカの21か国・地域[※]から104名の博士課程学生・若手研究者が参加しました。

[※] 参加者の推薦国・地域
日本、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、イスラエル、ケニア、韓国、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、セネガル、シンガポール、南アフリカ、台湾、タイ、トルコ、ベトナム

講演・ グループディスカッション

第14回HOPEミーティングは、2019年春の第11回HOPEミーティング以来4年ぶりに集合・対面形式で開催されました。招待された8名のノーベル賞受賞者のうち6名が来日し、2名がオンラインで会議に参加しました。

ドナ・ストリックランド

梶田 隆章

天野 浩

ベンジャミン・リスト

グレゴリー・ウィンター*

ヨハン・ダイゼンホーファー

ハーベイ・J・オルター*

ティム・ハント

オンライン参加の講演者

世界の英知の言葉を聴く ――ノーベル賞受賞者による講演――

会期中、8名のノーベル賞受賞者はそれぞれ1時間の講演(45分の講演と15分の質疑応答)を行い、Q&Aセッションでは若手研究者たちはノーベル賞受賞者に活発に質問を投げかけていました。
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世界の英知と言葉を交わす ――グループディスカッション――

ノーベル賞受賞者1名を20名程度の若手研究者が囲む45分のグループディスカッションも会期中に5枠が用意され、いずれの参加者もそのうち4枠に参加しました。グループディスカッションでは親密でなごやかな雰囲気の中でノーベル賞受賞者たちの来し方に耳を傾けたり、研究や生活の悩みに励ましの言葉をもらったりすることができ、若手研究者たちにはまたとない贅沢な時間となりました。
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参加者による活動

HOPEミーティングの参加者には、研究者個人として研究発表を行う「ポスター発表」と多文化・多分野のチームメイトと共同して最終日に「チームプレゼンテーション」を作り上げる2つの活動が課せられていました。

研究発表を行う ――フラッシュトークとポスターセッション――

会期中、参加者の研究ポスターがメインホールのホワイエに展示され、3日にわたってポスターセッションが開催されました。参加者は割り当てられた発表日に、まず自分の研究を1分間で説明する「フラッシュトーク」を行い、その後の「ポスターセッション」において自らのポスターの前で研究をじっくり説明しました。専門性の異なる参加者に自らの研究を説明するのは簡単なことではありませんが、若い研究者たちは同年代の仲間たちだけでなくノーベル賞受賞者や運営委員らシニアの研究者に向けても熱心に研究を説明し、参加者も真剣に説明を聞き、質問を投げかけていました。
ポスター賞は、参加者全員による投票結果に基づいて運営委員会が合議審査を行い、選出されました。優秀なポスター発表を行った6名には「ベストポスター賞」が贈られ、さらにベストポスター賞受賞者のうち1名には、「運営委員長賞(HOPE賞)」が授与されました。
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仲間と発表を作り上げる ――チームプレゼンテーション――

参加者104名は、事務局によりA~Kの11チームに編成され、時間の限られた中、文化的な背景も専門分野も異なる初対面のチームメイトとSDGs(持続可能な開発目標)の達成あるいは新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックの解決のような人類共通の課題に対して科学者としてどのように貢献できるか、課題解決型の発表作品として仕上げ、最終日に発表しました。閉会式では、参加者全員の投票結果に基づき梶田隆章運営委員長より2つのチームにチームプレゼンテーション賞(ユニーク賞とベスト賞)が贈られました。
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日本の研究施設を知る ――研究施設見学――

参加した各国・地域の若手研究者に日本の研究の粋を実感してもらうため、また日本最大の研究学園都市であるつくばの魅力をアピールするため、プログラムにはつくばに所在する研究施設への訪問の時間が設けられていました。参加者は3つのグループに分かれ、それぞれ日本を代表する研究機関である高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質・材料研究機構(NIMS)筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)を訪れ、研究者から説明を聞いたり、研究設備や研究室を見学したりしました。ノーベル賞受賞者のハント博士はKEKを訪れ、ダイゼンホーファー博士夫妻はかつての同僚である柳沢正史機構長をIIISに訪ねました。KEKではKEK特別栄誉教授である小林誠博士(2008年ノーベル物理学賞)がHOPE参加者を迎えてくださいました。
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上記の3つの機関だけでなく、グループディスカッションの時間には、産業技術総合研究所(AIST)スタッフによる研究施設の案内があり、また学術振興会スタッフによる外国人特別研究員事業の紹介もあり、諸外国の若手研究者が日本で研究を進める道筋やバックアップ体制について説明が行われました。

日本の文化を知る ――コンサート・日本文化体験プログラム――

会期中には日本文化に触れるプログラムも行われました。
2月28日には、和楽器によるコンサートが行われました。琴・三味線・尺八の演奏を楽しんだ後には、参加者のうち数名が、実際にそれらに触れ、音を出してみる短いワークショップも行われました。
3月2日には、日本文化体験プログラムが行われました。全員で盆栽のデモンストレーションを見た後、参加者の希望に基づいて書道・茶道・風呂敷の3つのプログラムに分かれ、実際に手を動かして日本の伝統文化を体験しました。最終日には浅草へのエクスカーションも行われました。
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