日本学術振興会

パンフレット連動 特設コンテンツ 研究者インタビュー パンフレットに収まりきらなかった「研究者インタビュー」の全文掲載

研究者インタビュー

特別研究員採用者

杦山真史先生

杦山 真史(すぎやま まさふみ)
東京大学 大学院工学系研究科 特任助教

略歴
1997年生まれ。博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(2021年)を経て現職。

研究テーマ(特別研究員に採用された際の研究課題)
三次元電子受容分子ペルフルオロキュバンの合成
日本学術振興会との繋がり
特別研究員事業が後押しした電子を閉じ込める分子の実証
「三次元電子受容分子ペルフルオロキュバンの合成」という研究課題を応募し採用されました。20年ほど前に発表された論文において、炭素とフッ素からなるさいころ型の分子・ペルフルオロキュバンが、さいころの中に電子を閉じ込めるのではないかと予測されていました。しかしこの予測は、ペルフルオロキュバンを合成することが非常に困難であったために、実証されずに眠っていました。そこで私は、この分子の合成と予測の実証を目指した研究課題を応募し採用されました。

紆余曲折の後、実際にペルフルオロキュバンの合成と、電子が分子の中に閉じ込められている状態の確認に成功し、特別研究員採用中に論文として発表することができました。
ペルフルオロキュバン (白: 炭素, 黄: フッ素)
ペルフルオロキュバン (白: 炭素, 黄: フッ素)
特別研究員事業が支えた研究環境
研究にすべてを注ぐことができた特別研究員の3年間
特別研究員事業に採択されたことで、博士課程の3年間、自分の時間全てを研究に注ぐことができる機会を与えていただきました。生活費や研究費をサポートいただいたことで、(研究以外の)心配事なく、十二分に研究に打ち込むことができたと思います。

また、研究費のご支援により海外での学会参加や短期間の海外渡航を行うことができました。月並みですが、論文を読むだけではわからない世界レベルの研究者たちを目の当たりにしたことで、目指す研究者像がより明確になったように思います。
未来の研究者へのメッセージ
肩ひじを張らず知的好奇心のままに進もう
研究の道というと、その先にある大きなゴールばかりを見てしまうのではないかと思います。私は大きなゴールよりも、紆余曲折の途中で見つけたさりげない発見に知的好奇心が大きくくすぐられます。肩ひじを張らずに、好奇心の赴くままに研究の道を進んでみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
※本記事に記載の所属・肩書きは、掲載時点(2025年3月)のものです。
[JSPSパンフレット連動 特設コンテンツ 研究者インタビュー]
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JSPSパンフレット
ご紹介した「研究者インタビュー」が掲載されているパンフレットは、以下のリンクよりご覧いただけます。

日本学術振興会パンフレット2024-2025(和文)(PDF/6.3MB)
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