日本学術振興会

パンフレット連動 特設コンテンツ 研究者インタビュー パンフレットに収まりきらなかった「研究者インタビュー」の全文掲載

研究者インタビュー

科研費採択者

山中伸弥教授

山中 伸弥(やまなか しんや)
京都大 iPS細胞研究所 名誉所長・教授

略歴
1962年生まれ。博士(医学)。大阪市立大学大学院医学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(1996年)、大阪市立大学医学部薬理学教室助手(1996年)、奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター助教授(1999年)、京都大学再生医科学研究所教授(2004年)を経て、同学iPS細胞研究所所長・教授(2010年)。2022年より現職。日本学術振興会賞受賞(2007年)、ノーベル生理学・医学賞受賞(2012年)。

研究テーマ(科研費に採択された研究課題)
動物細胞において普遍的に存在しタンパク質翻訳にかかわると考えられる遺伝子NAT1(eIF4G2)の生体機能の解明
日本学術振興会との繋がり
帰国後の研究生活を支えた特別研究員事業
研究を始めた駆け出しの頃から、様々な形でご支援をいただき、研究を継続していくことができました。1996年に特別研究員(PD)に採択いただきました。ちょうどアメリカから帰国するタイミングでしたから、日本での研究をスムーズに始めることができました。その10年後の2006年には、日本学術振興会賞をいただき、研究を進めていく上での大きな励みになりました。私が特に生命の神秘に迫るような基礎研究を続けてこられたのは、日本学術振興会の事業があってこそだと思っています。
科研費が支えた研究
がん研究からiPS細胞の開発へ
科研費については、1997年に「翻訳阻害因子NAT1の生体内での機能およびその細胞内情報伝達系の解明」という研究課題が初めて奨励研究(A)(当時)に採択されました。これは、がんを抑制する遺伝子の候補として私自身が見つけたNAT1について、その性質を明らかにする研究でした。この研究を進める中でES細胞(胚性幹細胞)に興味を持ち、やがてiPS細胞の開発につながりました。このように科研費は基礎研究の進展に大変重要な役割を果たしています。
ヒトiPS細胞
ヒトiPS細胞 ©️京都大学教授. 山中伸弥
未来の研究者へのメッセージ
想定外を楽しめる人が基礎研究の未来を創る
基礎研究を進める上では、予想通りではない実験結果がでることがほとんどです。その結果に意気消沈するのではなく、新たな研究へと結びつけられるかもしれないとワクワクできる人が基礎研究者に向いていると思います。基礎研究の醍醐味は、真実のベールを少しずつ剥がしていくことです。ぜひ、自分の関心のある分野をみつけて、飛び込んでみてください。
※本記事に記載の所属・肩書きは、掲載時点(2025年3月)のものです。
[JSPSパンフレット連動 特設コンテンツ 研究者インタビュー]
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JSPSパンフレット
ご紹介した「研究者インタビュー」が掲載されているパンフレットは、以下のリンクよりご覧いただけます。

日本学術振興会パンフレット2024-2025(和文)(PDF/6.3MB)
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