日本学術振興会

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日本学術振興会賞

秋篠宮皇嗣殿下から受賞者に対するお祝いのことば

  第17回日本学術振興会賞を受賞された皆様、またその中から第17回日本学士院学術奨励賞を受賞された皆様に心からお祝いを申し上げます。

  本年は、COVID-19の感染拡大によって本賞の授賞式が開催されないことになりました。毎年、授賞式において受賞された方々から、それぞれの研究についてお話しを伺うことを楽しみにしておりましたので、今般お目にかかれないことは大変残念な思いです。

  さて、学術研究は、それを志す研究者の知的好奇心と自由な発想に端を発して行われ、地道に研究を継続することによって新たな知見が生まれ、構築されることで、その先の多様な展開へとつながっていくものと考えます。そのいっぽう、人間社会は気候変動や様々な疾病をはじめとする多くの困難な問題を抱えており、こうした課題の解決のためには、幅広い学術領域からの貢献が必要不可欠なものであることも紛うことなき真実です。

  その意味で、これまで我が国の学術研究を支えてきた日本学術振興会と日本学士院が協力して、人文学から社会科学、自然科学にわたる幅広い分野で若手研究者を顕彰し、その研究意欲をより高め、研究の発展を支援しようとすることは誠に意義深いものであります。

  現下のCOVID-19の感染拡大は、人間社会に未曾有の危機をもたらすとともに、社会の脆弱性も顕在化するに至りました。他方、この危機に対応するため、今までに蓄積されてきた医学分野を始めとする様々な学術分野で得られた知見が、治療法の確立や感染拡大の防止、ワクチンや治療薬の開発、社会経済の立て直しなどの対策に用いられています。また、世界中でCOVID-19と原因ウイルスであるSARS-CoV-2に関する研究が進展してきており、それらの成果により、現在の困難な状況は必ず乗り越えられるものと期待いたしております。

  今回、受賞の栄に浴された皆様は、それぞれの分野において、これまでにも大変優れた業績をあげておられます。皆様には、この受賞を一つの契機として、今後さらに充実した研究を進められ、世界的に活躍されることを心から願っております。

  終わりに、関係の皆様のご尽力により、日本の学術研究の進展が一層図られることを祈念し、お祝いの言葉といたします。