日本学術振興会について

ごあいさつ

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里見 進 理事長

平成30年4月1日就任

日本学術振興会(学振)は、昭和天皇の御下賜金をもとに昭和7(1932)年に創設されました。以来、学術の振興を図ることを目的とする我が国唯一の独立した資金配分機関として、学術研究の助成、研究者の養成、学術に関する国際交流の促進、大学改革や大学のグローバル化の支援など多岐にわたる事業を積極的に実施し、研究者の活動を安定的・継続的に支援しています。

研究者の自由な発想に基づく学術研究は、人類の知のフロンティアを開拓する営みであり、イノベーションの源泉でもあります。昨今の日本人のノーベル賞受賞は、研究者の内在的動機に基づく挑戦的で独創的な学術研究の重要性、また科研費(科学研究費助成事業)をはじめとする研究支援の重要性を示しています。科研費では、新たな審査システムを導入するなど抜本的改革を推進していますが、今後も改善に取り組みながら、科研費の更なる充実に努めてまいります。

現在、若手研究者を取り巻く状況は厳しく、キャリアの見通しが不透明になっています。令和元(2019)年にノーベル賞を受賞された吉野彰先生は、学振とスウェーデン王立工学アカデミーの共催によるセミナーで、リチウムイオン二次電池の研究に若いときに取り組んだお話をなさいましたが、ノーベル賞を受賞されるような研究は、特に若手の時期に多く行われています。我が国の研究力の低下が懸念されている中、若手研究者が将来を見通し、挑戦的な研究にしっかりと打ち込めるような環境を構築することが、今必要になっていると考えます。

学振では、令和元(2019)年に、国内外で挑戦的な研究に取り組む優秀な若手研究者を支援する「国際競争力強化研究員事業」を新たに立ち上げました。また、科研費においては、若手研究者の挑戦機会の拡大を図っています。今後も、特別研究員事業による自立して研究に専念できる環境の整備や、国際的な研さん機会の提供、科研費による若手研究者への支援の強化等に努めてまいります。

平成30(2018)年4月にスタートした第4期中期目標期間は、今年で3年目を迎えます。学振は、引き続き、研究者の視点に立った効果的な業務運営を行い、科研費改革の実行、優秀な若手研究者への支援、国際共同研究の推進などを通じて、知の開拓に果敢に挑戦する研究者の活動を支えるという責務を果たしてまいります。

今後とも、皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

令和2(2020)年4月
独立行政法人日本学術振興会 理事長

里見進