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〒100-8959
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TEL 03-6734-4021

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卓越研究員事業

卓越研究員の声
Voices from EYRs

これまでに決定された卓越研究員は、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍しています。こちらで、一部ご紹介しています。
※ 掲載内容(所属、職名等)は執筆時のものです。

A new horizon for geoanalytics
Leading the Small World AI project incubation at LocationMind

LocationMind Inc.,
Senior Researcher
Dr. Haoran Zhang(令和2年度卓越研究員)

After my double bachelor degree in Transportation Engineering and Economics, I then pursued a double PhD degree in Transportation Engineering at China and Sociocultural Environmental Science at the University of Tokyo. My studies in industrial engineering provided me with a strong knowledge of applied mathematics, especially convex optimization theory, which is the fundamental knowledge of information science. My studies in economics and sociocultural environmental science trained me in the areas of real-world problem modeling and data mining.

After graduation, I pursued research on smart cities technology with big urban sensing data. During the research work, I deeply realized the significances of cooperation and integration on practice-oriented research and development, especially for a foreign researcher in Japan. Hence, I applied for the LEADER program for seeking more cooperation opportunities. Carrying out the idea of practice-oriented research, I finally joined LocationMind Inc. under supports of the LEADER program where can provide me a lots opportunities to touch the frontline markets to understand the real demands on the ground.

During working at LocationMind Inc., I mainly focus on incubating a Small World AI (Spatial Multimodal ALL-World Artificial Intelligence) project as the project founder and leader, which is an integrated and comprehensive data mining system that can smoothly give full play to synergies of multiple technologies, which accurately simulate real-world human mobility behaviours. This technology can help to develop smart emergency management and policy innovation.

Additionally, we are trying to apply our system to more cases, for example in energy, urban planning and pandemic response fields. Testament to this technology, it won a Smart 50 Award and R&D100 Award in 2021, which recognize innovative and influential global R&D projects.

Haoran Zhang

遍在する異質なものの中へ

京都工芸繊維大学
情報工学・人間科学系 テニュアトラック助教
村上 久 さん(令和2年度卓越研究員)

 私は、生命システムがいかに外界と関わるかを広義のテーマとして研究を進めています。これまで、環境に対して一塊のように振る舞う魚の群れや、多感覚相互作用に基づくカニの空間認知に関する行動実験および計算機モデル構築を行ってきました。
 私のような一見バラバラな対象を扱っている者にとって、卓越研究員制度は魅力的でした。この制度では、研究資金の自由度が高く、事前に提案した計画から自然に派生した研究も柔軟に行えます。さらに期間中、大学から研究への十分な支援が担保されます。従って独立研究者としての準備のみならず、新しいテーマに挑戦できるチャンスであるとも言えます。独立して研究するのは大変でもありますが、自分の興味ある対象へ自由にアプローチできるという利点は計り知れないものがあります。
 現在、私は歩行者の群れの研究を進めています。動物や歩行者を扱っていることもあってか、身近なものを対象にしているのですね、と言われることがあります。しかし重要なことは、身近なものの中にも思いがけない、異質なものが潜んでいることに気づくことだと考えています。今後も、そうしたものに心をそばだてながら研究を進めていければと思います。

村上 久

臨床と研究の架け橋を目指して
〜バイオエンジニアリングを用いた感染症研究への挑戦〜

大阪大学
微生物病研究所 分子原虫学分野 特任助教
中嶋 舞 さん(令和2年度卓越研究員)

 大学卒業後は研修医を経て感染症内科医として勤務した後、博士課程に進学しました。
 博士過程では留学制度を利用し、コロラド大学にてテロメラーゼと癌に関する研究を行いました。そこで当時最先端のバイオエンジニアリングに触れたことから、ポスドクではMITに移り、最新の技術を用いた抗マラリア薬の開発を行なってきました。そして次のキャリアを考えた時、海外の機関に所属していても応募可能で、独立した自由なテーマで研究を始めるのに十分な予算を支給してくれる卓越研究員制度が自分にマッチしており、挑戦しました。
 卓越研究員として選考された後は、感染症の研究が精力的に行われている大阪大学の微生物病研究所に着任しました。現在は、マラリアを対象に分子生物学やバイオエンジニアリングを駆使した研究を立ち上げた所です。また、研究費と別に環境整備費が支給されるという卓越研究員制度の特徴を活かして、ソフトとハードの両面での環境整備も順調に進んでいます。
 今後は、これまで臨床と研究の場で培った経験を活かしながら、分野横断的、国際的な研究に積極的に挑戦し、マクロな視点からの基礎研究を医療の現場に繋げていきたいです。

中嶋 舞

異分野交流を通して分野横断型の研究者へ

国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
先端基礎研究センター 任期付研究員
内野 瞬 さん(令和2年度卓越研究員)

 博士号取得後、国内外の研究機関で理論物理学の研究を行なってきました。特にスイスで博士研究員であった際には、実験グループと相互作用する機会に恵まれ、純理論的なものから実験と連携するものへと、良い意味で研究スタイルに変化がありました。卓越研究員制度で先端基礎研究センターに応募した理由は、安定性の高いテニュアトラック制度のもと自分の好きな研究ができると考えたからです。実際、卓越研究員事業で交付される研究費・環境整備費により、不自由することなく自分の研究を行なうことができるようになりました。
 現在は、真空中に捕獲された極低温の原子集団を扱う冷却原子気体の研究に取り組んでいます。冷却原子気体は操作性の高い人工量子系であり、量子系のパラメータを自在に制御することができます。このため、冷却原子気体は量子現象の本質を探る量子シミュレーション研究に適しています。先端基礎研究センターに冷却原子気体の専門家はいませんが、異分野の研究者との交流から日々インスピレーションを受けています。今後も国内外の実験グループと連携することで、非自明な量子現象の探索、更には新たな原理の開拓へと繋げていきたいと思います。

内野 瞬

自身独自の技術を開発し応用していくことを常に忘れず、
研究活動を進めてくことを信条としています

公益財団法人 東京都医学総合研究所
脳・神経科学研究分野 脳神経回路形成プロジェクト 主席研究員
隈元 拓馬 さん(令和2年度卓越研究員)

 学位取得まで食品機能学を学び、ポスドクから神経発生の道へ入りました。2度目のポスドクでフランスに5年半留学し遺伝子工学を学び、自分独自の遺伝ツールを作ることができました。様々なバックグラウンドの研究に触れることができたので、研究に取り組む上で、分野に拘らない柔軟な視点からアイデアを出すことができるようになりました。
 留学中に開発した遺伝ツールを用い、日本で独自の研究を発展させようと、海外からでも応募できた卓越研究員事業に応募しました。マッチングでは、大学よりも研究所を優先しました。話に聞くようにマッチングは非常に難しく、1年待ち2年目に希望とする研究所へのマッチングができました。卓越研究員になったことで、5年間雇える研究補助員を採用できたことが良かったです。また久しぶりの日本での研究活動も不自由なく再開することができました。
 今の所属機関では、どのようにして複雑な大脳皮質が構築されていくのか、様々な遺伝ツールを駆使して調べています。今後は非哺乳類大脳にも着目し、進化の過程で大脳皮質が哺乳類でなぜ獲得できたのか、進化発生学的な観点から大脳構築のメカニズムを明らかにしていきたいと思っています。

隈元 拓馬

重たい振り子の量子的な性質を解き明かす

学習院大学
理学部物理学科 准教授
松本 伸之 さん(令和2年度卓越研究員)

 私は学生時代に重力波望遠鏡の開発グループに所属していました。重力波とは時空の変動が光速度で伝わるという放射現象ですが、実は、振り子の間の距離をレーザー光で測定することで観測されています。
 現在は、この精密計測技術に独自の技術を組み合わせることで、振り子の振動自体を単一量子レベルで計測・制御するための研究を進めています。これまで、量子現象は微視的な系で観測されてきました。同様に、振り子のような重たい巨視的な物体が量子力学で予想される不思議な性質を示すのかどうか知りたいと考えています。巨視的な系は重力の影響を無視できない点でミクロな系とは異なるため、従来の研究とは質的に異なる成果につながるかもしれません。
 今年度から学習院大学に所属していますが、ここでは自由な研究環境に加えて、やる気の溢れる学生達に囲まれています。そのおかげで、今まで以上に教育・研究活動を楽しめています。さらに、卓越研究員事業のサポートもあるため、着任直後から円滑に研究室の環境を整えることができました。
 今後も、前人未到の研究を学生達と進め、次世代を担う優秀な人材を育成することで社会へ貢献していきたいと考えています。

松本 伸之

※前列の右側が松本伸之さん

自由に、独自の視点で、楽しく

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者
原田 尚之 さん(令和2年度卓越研究員)

 異種の結晶を積み木のように積層する「ヘテロ構造」の研究をしています。半導体、磁石、超伝導体等、色々な個性を持った結晶があります。エピタキシー技術を用いると、異なる結晶を原子レベルで積層できます。2つの結晶の界面では、それぞれの特性の足し算では無く、予想もしない物性が現れることがあります。良い結晶の組み合わせを発見できれば、新しい価値を生むことができます。実は身の回りの様々な電子部品にもヘテロ構造が利用されています。基礎と応用の両方に取り組めるので面白いです。
 東京大学で学位取得後、物性研究所とドイツのマックスプランク固体研究所でポスドク、東北大学金属材料研究所で助教を経て、物質・材料研究機構に着任しました。現所属を選んだ理由は自由な雰囲気だと感じたからです。実際入ってみるとその通りでした。多様なバックグラウンドを持った研究者が集まっており、気軽に研究の相談相手を見つけることができます。また、柔軟に変化している組織なので働いていて楽しいです。自身の研究を進める際の支援が充実している他、国研なのでスケールの大きな課題について知る機会が多く刺激的です。今後も独自の視点を持って研究していきます。

原田 尚之

複数の研究分野での研究経験を活かし、
基礎研究から応用までの橋渡しを目指す

宮崎大学
キャリアマネジメント推進機構 テニュアトラック推進室 准教授
徳本 雄史 さん(令和2年度卓越研究員)

  • これまでの研究経験、その経験から得たもの
  • 学生の時は森林生態学を専攻していましたが、ポスドクとして企業、研究機関、海外大学で異なる分野の研究を行ってきました。これらの経験が現在の研究活動や視野を広げることに活かされています。

  • 卓越研究員事業に申請した理由
  • 今の所属機関の募集要項に卓越研究員事業への申請が必須だが採択不採択は問わないと書かれていたので、それならと思い申請を行いました。以前卓越研究員事業に応募した際は不採択だったので期待していなかったのですが、採択された時には驚きました。

  • 今の所属機関を選んだ理由
  • 知り合いの方から今の所属機関で公募が出ているとご連絡をいただきました。国内随一のスギの生産地で豊かな森林があるため森林研究を進める上で非常に良い環境だと思い応募しました。

  • 卓越研究員になったことにより研究環境等にどのような変化があったか
  • 研究室を管理することは初めてなので着任してから現在までの1年間は研究環境を整えることがいかに大変で重要かということを感じています。

  • 今の所属機関での研究内容、やりがい
  • これまで行ってきた樹木や森林生態系の機能評価を宮崎や海外の森林で実施することと、劣化した生態系を復元することを考えております。これからの研究を考えると非常にワクワクしています。

  • 今後どのように研究に取り組んでいこうと考えているか
  • 基礎研究から応用までの橋渡しや、異分野の方々との協働などを、学生らと共に進めていきたいと思っています。

徳本 雄史

細胞内輸送機構の全容解明を目指して

東北大学
学際科学フロンティア研究所・助教
千葉 杏子 さん(令和2年度卓越研究員)

 大学院ではアルツハイマー病の原因となるタンパク質の解析を行っていました。APPと呼ばれるそのタンパク質は細胞内をヒョコヒョコと移動します。次第にそのような細胞内の物質輸送の仕組みに興味が移り、留学先のカリフォルニア大学では細胞内で車の役割を果たすモータータンパク質の解析に取り組みました。モータータンパク質の精製と観察というシンプルな手法で、これまで分からなかった様々な疑問を解き明かすことが出来ます。世界中で多くの研究者がモータータンパク質の解析を行う中、勝負の鍵はそれぞれのアイデアです。自分の手で新しいことが分かる瞬間は何ものにも代えがたい喜びがあります。
 日本へ帰国するにあたり、研究設備の確保が一番の懸念事項でした。卓越研究員として採用して頂いたことにより、通常は購入の難しい大型機器も一年目から確保することが出来ました。研究環境が整ったことで、留学先で行っていた研究のスケールや質を落とさず、ほぼブランク期間を置かずに日本でスタートを切ることが出来たのは本当に有り難いです。まだ研究はスタートしたばかりですが、これからどんな新しいことが分かるのかワクワクしています。

千葉 杏子

自由な研究環境で新しい発見を目指して

熊本大学
大学院先導機構 准教授
関根 良博 さん(令和2年度卓越研究員)

 学生時代から私はこれまでに、熱や光などの外部刺激に応答して分子の電子状態変化を示す金属錯体に関する研究に取り組んできました。金属錯体における電子状態変化は、柔軟に構造変化やスピン状態変化を引き起こし、色調や特異な電気伝導、磁性など多様な物性を協奏的に制御可能です。
 筑波大学で学位取得後、東北大学金属材料研究所の助教を経て、熊本大学・大学院先導機構に着任しました。受け入れ機関として現在の職場を選んだ理由は、自由な研究環境や異分野交流、応用展開を期待したためです。着任後には、研究スペースが確保され、また十分な研究費や研究環境整備費、事務の支援があり、スムーズに研究を進めることができました。まだ誰も見つけていない発見を目指して、配属学生と一緒に試行錯誤を重ねながら研究を行っています。現在は、メンター教員や併任先の研究者とも連携を図りながら、特異な電子・磁気的性質を示す分子性化合物の開発に取り組んでいます。今後はこれまでに取り組んできた錯体化学をベースとしながら機能性分子の創出や分子性材料の開発により、新しい研究シーズの創出を目指して研究を進めていきます。

関根 良博

多様な研究者や実務者、市民と共につくり、共に学ぶ

京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系 講師
山口情報芸術センター[YCAM] 研究員
津田 和俊 さん(令和元(2019)年度卓越研究員)

 これまで研究では、環境やサステイナビリティの課題に対して、工学を軸とした領域横断的なアプローチで取り組むことを考えてきました。近年では、循環経済に向けた分散適量生産・DIYカルチャーのデザイン・リサーチや、生態系や生物多様性を研究するバイオテクノロジーの応用可能性について市民と一緒に模索するバイオ・リサーチに取り組んでいます。このような研究の場合、より多様な研究機関やグループ・個人と連携する必要があることを実感しています。
 この卓越研究員事業に関しては研究者の先輩から教えていただいて知りました。デザイン分野でも募集があること、クロスアポイントメント制度の積極的な活用が推進されていることなどを知り、申請することを考えました。この制度を活用して、京都工芸繊維大学と山口情報芸術センターといった、国立大学と公共文化施設の二つの研究機関で働いています。着任後、ある共同研究では両機関の連携もはじまり、また国内外の研究機関などとの連携の幅も広がってきています。今後さらに、国内外の多様なデザイナー、アーティスト、実務者、技術者、研究者、市民との共創を実践しながら、研究に取り組んでいきたいと思っています。

津田 和俊

※所属・職名等は執筆時のものです。