令和5年11月8日に文部科学省、独立行政法人日本学術振興会、国立研究開発法人科学技術振興機構の主催により、日本科学未来館で研究評価に関する国際シンポジウムを開催いたしました。

研究評価は、大学等への資金配分や、研究者の業績評価等、さまざまな場面で行われていますが、一方、資金助成や雇用・昇進等のための評価の際に、ジャーナル・インパクト・ファクター（JIF）等雑誌ベースの数量的指標を一律に用いることは慎むべきとの提言はこれまでにしばしばなされてきました。

雑誌ベースの指標は、個々の論文の質を直接反映していないこと、研究の多様な側面における質を示すことができないためであり、特に、個々の研究課題や個人の評価において、雑誌ベースの指標のみを用いることは、適切ではないとされています。

こうした背景の下、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言（DORA）」は、2012年12月の米国細胞生物学会（ASCB）の年次大会において、学術雑誌の編集者や研究者が議論した内容を元にまとめられました。また、「研究評価の改革に関する合意」は、2022年7月に、欧州委員会（EC）、欧州大学協会（EUA）、サイエンスヨーロッパなどが主体となってまとめられ、2022年12月に、同合意を推進するための有志連合「Coalition for Advancing Research Assessment（CoARA）」が発足しました。

このような研究評価に関する国際的な動向を背景に、本シンポジウムでは、ステファン・カリーDORA運営委員長やリディア・ボレル-ダミアン サイエンスヨーロッパ事務総長（CoARA運営委員会委員）を交え、研究評価改革に関する日本及び世界の動向を紹介するとともに、日本における研究開発評価に関する課題や改革の方向性に関してパネルディスカッションを行いました。