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学術の社会的連携・協力の推進

産学協力研究委員会

メタマテリアル第187委員会

趣旨・目的

通常の物質の電磁応答は、それを構成する原子・分子や結晶構造などの微視的な配列によって決まっており、誘電率と透磁率の値には大きな制限があります。しかし、電磁波波長より小さく原子よりは大きなスケールで人工構造をうまく設計すると、有効誘電率や有効透磁率を自由に制御でき、その結果、負の屈折や電磁波の迂回など、従来ありえなかった特殊な電磁応答をする人工物質を作ることができます。これをメタマテリアルと呼びます。
 本委員会ではメタマテリアルの構成法とその作製方法の開発並びに新奇現象の発掘などの基礎研究と、その産業応用の可能性について調査と情報交換を行い、将来の新規産業に結びつけることを目指します。

活動の内容

メタマテリアルの産業応用研究を進めるにあたって必要な、新概念の理解、標準的な研究手法について議論を行います。特に、電磁場計算、メタマテリアル作製、特性評価において、市販品がどこまで対応できるかを委員会で検討することは、新たにメタマテリアルの研究を開始する企業にとって重要となるでしょう。現段階ではメタマテリアルの研究開発は具体的なターゲットを定めてコンソーシアムを立ち上げるような状況ではありません。以下の5つの観点を意識して議論を行うことを研究課題として設定いたします。

  1. メタマテリアルの設計
    1. 電磁場計算手法、有効媒質パラメタの抽出、座標変換光学
  2. メタマテリアルの機能
    1. メタマテリアルのもつ機能、シーズに関する議論
    2. サブ波長電磁場パターンの形成、電磁場伝搬マニピュレーション
    3. アンテナ指向性の制御、電磁波制御デバイス、発光・受光デバイス
  3. メタマテリアルの評価
    1. 実験的な評価方法のノウハウ、開発
  4. メタマテリアルの作製
    1. トップダウン手法(微細加工)、ボトムアップ手法(ナノ化学、自己集積)の開発
    2. 高精度化、低コスト化の追求
  5. メタマテリアルの応用
    1. メタマテリアルを用いたシステムの検討、ニーズに関する議論

設置期間

平成29年10月1日~令和5年3月31日

委員長

石原 照也  東北大学大学院理学研究科 教授

委員の構成(令和2年9月末現在)

  • 学界 18名
  • 産業界 19名
  • 委員総数 37名