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研究公正~Research Integrity~

「学術研究フォーラム 第8回学術シンポジウム 科学研究のよりよき発展と倫理の確立を目指して」

【シンポジウム概要】

   学術研究フォーラムと日本学術振興会(JSPS)が主催し、科学技術振興機構(JST)と日本医療研究開発機構(AMED)が共催して、11月29日(火)にホテルエルセラーン大阪にて、「学術研究フォーラム 第8回学術シンポジウム 科学研究のよりよき発展と倫理の確立を目指して」を開催しました。
   始めに、学術研究フォーラムの郷通子代表幹事による開会挨拶、JSPSの家泰弘理事による挨拶が行われました。
   基調講演では、JSPS学術システム研究センター黒木登志夫顧問が「研究不正-事例の分析から対策を考える」と題して、研究不正の現状及び対策について述べられました。
   パネルディスカッションでは、JSPS浅島誠学術顧問の司会により進行されました。まずは、パネルディスカッションに先立ち、パネリストの京都大学嘉門雅史名誉教授から、科学技術への社会的信頼を喪失する事故・事件の多発や事故・事件はどうして防げなかったのか、技術者倫理の必要性と意思決定、技術者と企業・組織の相克などについて、大阪大学大学院生命機能研究科仲野徹教授から、生命科学研究の立場から研究不正を考え、生命科学研究の再現性、「業績、権威」に対するあり方、研究不正をなくすための課題・解決策などについて、大阪大学全学教育推進機構中村征樹准教授から、自動車の燃費不正問題の原因・背景や研究倫理教育の実施方法などについて、名古屋大学森嶌昭夫名誉教授から、法律家としての立場から、臨床研究における利益相反と医の倫理、法制化は臨床研究を冷え込ませるか、また、高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会委員長としてのご経験を踏まえて、高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究事案について発表がありました。引き続き、パネリストとフロア参加者が一体となってディスカッションが行われました。医学・薬学・生命科学分野については、大学等の研究者による論文データの捏造、改ざんや実験データの再現性の問題、製薬企業も関与した治験データの改ざん事案に関して、また、工学分野については、特に組織に属する研究者・技術者にとって、組織の利害と研究者・技術者としての倫理との間にコンフリクトが生じる場合に関して活発な意見交換がなされ、非常に有意義なディスカッションとなりました。
   終わりに、学術研究フォーラムの阿部博之代表幹事による閉会挨拶では、研究倫理を切り口として、特に若手研究者の育成について、自由で独創的な雰囲気の研究室とすること、研究指導(研究の作法、論文作成)を含む対話に十分な時間を確保することなどについて発言がなされました。
   研究者のみならず、研究機関などで働く方々を含む250名の参加を得て、盛会のうちに終了いたしました。

 

【当日の配布資料】

  ■ 開会挨拶
学術研究フォーラム 郷通子代表幹事  (資料1
  ■ 基調講演
日本学術振興会学術システム研究センター 黒木登志夫顧問  (資料2
  ■ パネルディスカッション
京都大学 嘉門雅史名誉教授  (資料3
大阪大学大学院生命機能研究科 仲野徹教授  (資料4
大阪大学全学教育推進機構 中村征樹准教授  (資料5
名古屋大学名誉 森嶌昭夫教授  (資料6
  ■ 閉会挨拶
学術研究フォーラム 阿部博之代表幹事(資料7

 

【当日の様子】

「学術研究フォーラム 第8回学術シンポジウム 科学研究のよりよき発展と倫理の確立を目指して」