日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_海部 陽介
海部 陽介
(カイフ ヨウスケ)
KAIFU Yosuke



生年 1969年 出身地 東京都
現職 国立科学博物館人類研究部 研究主幹
(Senior Researcher, Department of Anthropology, National Museum of Nature and Science)
専門分野 人類の進化・拡散史の研究
略歴
1992年 東京大学理学部卒
1994年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
1994年 日本学術振興会特別研究員-DC
1995年 東京大学大学院理学系研究科博士課程中退
1995年 国立科学博物館人類研究部研究員
1999年 博士(理学)の学位取得(東京大学)
2007年 東京大学大学院理学研究科准教授併任(現在に至る)
2008年 国立科学博物館人類研究部研究主幹(現在に至る)
授賞理由
「アジアにおける人類進化・拡散史の研究」
(Studies on Human Evolution and Dispersal in Asia)
  人類の進化については、これまでアフリカとヨーロッパにおける研究が先行しており、アジアに関しては情報の量的質的な不足のために不明な点が多かった。
  海部陽介氏は、ジャワ原人やフローレス原人などアジアの原人化石について、これまでにない大規模な形態データを収集し、精密な解析を行った。それにより、アフリカからアジアへ広がった最初の人類は原人でその時期は180万年前以降と考えられること、ジャワ原人はその後独自の進化の道を辿って絶滅したことなど、アジアの原人進化史の大筋を明らかにした。さらに更新世アジアにおけるホモ・サピエンスの起源と拡散史の研究にも取り組み、その日本列島への渡来が複数回あった可能性を示したほか、考古学や人類遺伝学の成果を取り入れて分野複合的視点からこのテーマの研究を精力的に推進した。
  以上のように、海部氏はアジアにおける人類史の全体像を明らかにする研究を飛躍的に前進させた若手人類学研究者で、今後のさらなる発展が期待される。

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