日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_平井 浩
平井 浩
(ヒライ ヒロシ)
HIRAI Hiroshi



生年 1967年 出身地 埼玉県
現職 ナイメーヘン・ラドバウド大学哲学・科学史研究所 ポスドク研究員
(Research Fellow, Center for the History of Philosophy and Science, Radboud University)
専門分野 科学思想史
略歴
1990年 東京工業大学工学部卒
1993年 東京工業大学大学院工学研究科修士課程修了
1999年 リール第三大学大学院文学研究科博士課程修了
1999年 博士(哲学・科学史)の学位取得(リール第三大学)
1999年 リエージュ大学科学史研究所客員研究員
2002年 ロンドン大学ウェルカム医学史研究所研究員
2003年 リエージュ大学科学史研究所客員研究員
2005年 ゲント大学科学史研究所研究員
2008年 ケミカル・ヘリテイジ財団上級研究員
2010年 ナイメーヘン・ラドバウド大学哲学・科学史研究所ポスドク研究員(現在に至る)
授賞理由
「ルネサンス・初期近代の西欧における生命・物質理論の歴史的研究」
(Historical Studies on Life and Matter Theories in Renaissance and Early Modern Europe)
  平井浩氏の業績は、ルネサンス期から初期近代にかけての西欧における科学思想史を、自然を支配する過程として描く一般的な理解をこえて、この時代の思想的な基盤には自然界が自己を複製するという現象への関心が強く、それが多くの知識人に共通していたことを明らかにしたことである。
  複雑な思想動向を、数多くの思想家による著作を読み解き、それぞれの関係を明らかにしつつ、近代科学の誕生前夜の西欧における自然思想では、事物の発生が「種子」に相当する不可視の存在と「形成力」という二つの考えの相克のうえに理解されていたことを、15世紀のイタリア哲学から17世紀のヨーロッパ全域にわたる自然哲学の展開のなかで実証的に解明した業績は、国際的にも高く評価されている。生命思想史研究の第一人者として、今後は現代科学に繋がる西欧の自然解釈に、ルネサンスの思想がどのように影響したのかという点を解明することが期待される。

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