日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_髙橋 英彦
髙橋 英彦
(タカハシ ヒデヒコ)
TAKAHASHI Hidehiko



生年 1971年 出身地 滋賀県
現職 京都大学大学院医学研究科 准教授
(Assosiate Professor, Graduate School of Medicine, Kyoto University)
専門分野 精神医学、融合社会脳科学
略歴
1997年 東京医科歯科大学医学部卒
2005年 博士(医学)の学位取得(東京医科歯科大学)
2005年 放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター 主任研究員
2008年 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ研究員
2010年 京都大学大学院医学研究科講師
2011年 京都大学大学院医学研究科准教授(現在に至る)
授賞理由
「情動的意思決定の神経機構に関する学際的研究」
(Interdisciplinary Research on the Neural Mechanism of Emotional Decision-Making)
  近年、人間の社会性・情動・意思決定・モラルなどの精神活動を、脳科学の面から明らかにしようとする動きが、活発になっている。
  髙橋英彦氏は精神科の医師としての臨床経験に基づき、心理学、経済学、法学、哲学の知見や理論を踏まえ、意思決定の脳内メカニズムを検討する研究を進めてきた。その結果、罪悪感、羞恥心、自尊心、同情、妬みや「他人の不幸は密の味」と呼ばれる情動や、それらの情動が影響するモラル判断、司法判断などの社会的な意思決定に関わる脳内過程を、fMRIと呼ばれる脳イメージングの手法によって、明らかにした。
  また、経済学と分子イメージングを融合させ、不公平感やリスクへの態度の個人差に関わる脳内物質の関与についても解明を進め、精神神経疾患に認められる意思決定障害の新たな薬物療法の可能性も提示している。
  髙橋氏の研究はいずれも、社会科学分野での知見に生物学的な基盤を提供するとともに、社会科学および精神医学の新たな進展にも寄与することが期待される。

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る