日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_末永 和知
末永 和知
(スエナガ カズトモ)
SUENAGA Kazutomo



生年 1966年 出身地 愛知県
現職 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター 上席研究員
(Prime Senior Researcher, Nanotube Research Center, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
専門分野 固体物理学
略歴
1989年 東京大学工学部卒
1991年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1994年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
1994年 博士(材料学)の学位取得(東京大学)
1994年 エコールデミン(パリ校)博士研究員
1997年 パリ南大学固体物理研究所博士研究員
1998年 JST-ICORPナノチューブ状物質プロジェクト研究員
2001年 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター研究チーム長
2004年 ERATO中村プロジェクトグループリーダー兼任
2010年 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター 上席研究員(現在に至る)

授賞理由
「電子顕微鏡による単分子・単原子の観察および分析」
(Observation and Analysis of Single-Molecule and Single-Atom by Electron-Microscope)
 ナノテクノロジーに基づく新しい材料やデバイスの開拓には、分子・原子レベルで極微細構造を観測・分析する方法が不可欠である。
 末永和知氏は、電子顕微鏡の低加速化・低収差化・高感度化・低損傷化など多くのハードウェア技術の開発に加え、高速な動的観察を可能とするソフトウェア開発を通して、単分子・単原子を可視化するための電子顕微鏡観測技術を確立した。さらに、単分子・単原子からの分光計測を世界に先駆けて開拓するなど、この分野の発展に多大な貢献を果たした。
 末永氏の業績は、従来の電子顕微鏡が追求した高加速化による高分解能化と異なり、「低加速でも低収差化によって高分解能化を図る」という独自の着眼点に基づき、世界をリードする革新的な低損傷・高分解能電子顕微鏡技術を開発し、従来技術では達成できなかった個別分子の動的観察を可能にしたものである。その波及効果は大きく、さらなる発展が大いに期待される。

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