日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_宮宅 潔
宮宅 潔
(ミヤケ キヨシ)
MIYAKE Kiyoshi



生年 1969年 出身地 岡山県
現職 京都大学人文科学研究所 准教授
(Associate Professor, Institute for Research in Humanities, Kyoto University)
専門分野 東洋史学
略歴
1992年 京都大学文学部卒
1994年 京都大学大学院文学研究科修士課程修了
1995年 日本学術振興会特別研究員-DC
1997年 京都大学大学院文学研究科博士課程修了
1998年 日本学術振興会特別研究員-PD
2000年 博士(文学)の学位取得(京都大学)
2000年 神戸女子大学文学部専任講師
2002年 京都大学人文科学研究所助教授
2007年 京都大学人文科学研究所准教授(現在に至る)

授賞理由
「中国古代刑罰制度史」
(A History of the Penal System in Ancient China)
 宮宅潔氏は、木簡・竹簡の相次ぐ発見によって研究が大きく進展しつつある中国古代史の領域において、これらの新しい出土史料の分析を通じ、刑罰制度の複雑な展開過程を解き明かした。
 同氏の緻密な実証作業により、秦代の制度の直接的な延長・発展上に漢代の制度を位置づける従来の観点は見直されつつある。とりわけ労役刑の変遷に関しては、諸改革の具体的な背景に着目した詳細な検討が加えられ、財産や家族に関わる多様な要素を含んだ従来の多元的な制度を改変して刑期の長短を基準とする体系的な労役刑制度が構築されてゆく過程が、国家の財政・軍事制度上の必要性との関係で明らかにされている。
 宮宅氏の研究上の特質は、刑罰制度史に家族史的かつジェンダー史的な視点を導入しつつ、それに終わらせることなく、刑制史を通じて国家史の究明に向かおうとするところにある。新たな東洋古代史像がここから生まれる可能性があり、今後の展開が大いに期待される。

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