日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_平田 聡
平田 聡
(ヒラタ サトシ)
HIRATA Satoshi



生年 1973年 出身地 広島県
現職 京都大学霊長類研究所 特定准教授
(Program-Specific Associate Professor, Primate Research Institute, Kyoto University)
専門分野 比較認知科学
略歴
1996年 京都大学理学部卒
1998年 京都大学大学院理学研究科修士課程修了
1998年 日本学術振興会特別研究員-DC
2001年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了
2001年 博士(理学)の学位取得(京都大学)
2001年 日本学術振興会特別研究員-PD
2002年 林原生物化学研究所類人猿研究センター主任研究員
2008年 林原生物化学研究所類人猿研究センター主席研究員
2011年 京都大学霊長類研究所特定准教授(現在に至る)

授賞理由
「ヒトとチンパンジーの比較認知研究による社会的知性の進化的起源の解明」
(Quest for the Evolutionary Origins of Social Intelligence Through the Comparative Cognitive Studies in Humans and Chimpanzees)
 平田聡氏は、ヒトとチンパンジーの行動の類似性と相違性の比較を通じ、ヒトを特徴づける「社会的知性」がどのように生み出されたかを研究してきた。協力行動を調べる実験装置として同氏が考案した「平田の装置」は海外の研究者からも高く評価されている。また、チンパンジーの欺きの行動、社会的学習などのテーマの研究も、世界を牽引している。
 さらに、同氏は最近ではチンパンジーの出産メカニズムに関し、従来の定説を覆す重要な発見を行った。こうした研究の背景には、同氏が飼育員としての業務をこなしつつ、研究をしていることがあげられる。対象と距離をおかず、深い関係を築くことで理解を深める方法は、「日本式対面スタイル」として世界に認められている。
 この他、平田氏は野生のボノボやオランウータン等の観察研究も行っており、行動学的調査から脳科学に至る非常に多彩なアプローチおよび胎児から成熟個体までを対象とする幅広い考察は、ヒトの進化の基礎を総合的・包括的に理解する重要な視点を与えるものとして、今後の展開が大いに期待される。

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