日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_青山 和佳
青山 和佳
(アオヤマ ワカ)
AOYAMA Waka



生年 1968年 出身地 神奈川県
現職 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授
(AssociateProfessor, Research Faculty of Media and Communication, Hokkaido University)
専門分野 東南アジア地域研究、貧困・開発援助研究
略歴
1992年 慶應義塾大学商学部卒
1995年 慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了
1997年 アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所訪問研究者
2001年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学
2001年 東京大学大学院経済学研究科・経済学部助手
2002年 博士(経済学)の学位取得(東京大学)
2004年 和洋女子大学人文学部助教授
2007年 日本大学生物資源科学部准教授
2009年 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授(現在に至る)

授賞理由
「フィリピンにおける貧困の民族誌的研究―ダバオ市のサマ・バジャウの社会経済生活」
(An Ethnographic Study of Poverty in the Philippines: Socio-Economic Life of the Sama-Bajau in Davao City)
 青山和佳氏は、フィリピンのダバオ市における少数民族に対する詳細で内在的な文化人類学的フィールドワークを基盤に、開発経済学やアマルティア・セン(インド経済学者)の貧困概念等に基づく理論的アプローチを接合し、独創的な研究成果を挙げた。従来、その実態がよく知られていなかった少数民族サマ・バジャウの都市生活について、第一次資料を収集し多くの貴重な事実を明らかにしただけでなく、少数民族のアイデンティティという要素を、明示的に福祉指標として用いるというアプローチを開発した点に独自の貴重な学問的貢献がある。
 従来の諸学説を十分に咀嚼し批判的に再検討しつつ、同時に、現地の複数の言語(セブ語とサマ語)の修得に努め、現地の人々と生活を共にするというフィールドワークに従い、両者を組合せることで、従来の研究水準を突破する業績を達成した。青山氏は、開発援助論や貧困に焦点を当てた、今後の地域研究をリードする人材として更なる活躍が期待される。

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