日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_渡辺 正夫
渡辺 正夫
(ワタナベ マサオ)
WATANABE Masao



生年 1965年 出身地 愛媛県
現職 東北大学大学院生命科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Life Sciences, Tohoku University)
専門分野 植物生殖遺伝学
略歴
1988年 東北大学農学部卒
1990年 東北大学大学院農学研究科修士課程修了
1991年 東北大学大学院農学研究科博士課程中退
1991年 東北大学農学部助手
1994年 博士(農学)の学位取得(東北大学)
1997年 岩手大学農学部助教授
2001年 東北大学大学院生命科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「アブラナ科植物の自家不和合性における自他識別責任遺伝子座の同定と分子識別機構の解明」
(Identification of Gene loci Responsible for Self-Nonself Discrimination and Elucidation of Molecular Discrimination Mechanism in Cruciferae Self-Incompatibility)
 多くのアブラナ科の植物は、自らと同じS遺伝子型の花粉を受粉しても受精に至らない自家不和合性という性質を持つ。この性質は、安定的F1品種の育成に不可欠な農業形質であると同時に、高等植物の細胞間情報伝達や自他識別機構のモデルとして注目されてきたが、S遺伝子型を決める因子は不明であった。
 渡辺正夫氏は、遺伝子多型解析など遺伝・育種学的アプローチによりS遺伝子座上の責任遺伝子を単離し、花粉の自己分子として低分子ペプチドSP11を、雌ずいにおけるその受容体分子として受容体キナーゼSRKを同定し、自他識別の分子機構を解明した。また、SP11遺伝子の破壊による自家和合性変異を、正常遺伝子の導入により自家不和合性に戻すことができることを証明した。自家不和合性は他の高等植物にも広く存在することから、国内外の広い分野の研究に大きく寄与している。
 同氏の業績は、自他識別機構の解明により基礎生物学に大きく貢献するとともに、品種改良など育種面での発展も大いに期待される。

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