日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_松浦 健二
松浦 健二
(マツウラ ケンジ)
MATSUURA Kenji



生年 1974年 出身地 岡山県
現職 岡山大学大学院環境学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of environmental science, Okayama University)
専門分野 昆虫生態学
略歴
1998年 京都大学農学部卒
2000年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
2000年 日本学術振興会特別研究員-DC(2002年からPD)
2002年 京都大学大学院農学研究科博士課程修了(在学期間短縮特例)
2002年 博士(農学)の学位取得(京都大学)
2002年 京都大学大学院農学研究科博士研究員
2002年 ハーバード大学進化生物学分野博士研究員
2003年 日本学術振興会特別研究員-PD
2004年 岡山大学大学院自然科学研究科助手
2008年 岡山大学大学院環境学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「シロアリの社会生態の総合的解明とその応用」
(Ecological Researches on Termite Social Systems and Their Applications to Termite Control)
 松浦健二氏は、これまでシロアリを対象として昆虫の社会生態と進化のメカニズムを研究し、女王位は単為生殖により継承されていることを世界で初めて明らかにしたほか、シロアリの卵に擬態する菌類の発見、卵認識フェロモンの同定、共生バクテリア組成が関与した巣仲間認識メカニズムの解明など、シロアリの社会生態に関する未解明の問題を世界に先駆けて次々と解明してきた。
 特に、シロアリの女王が有性生殖と単為生殖を巧みに使い分けており、働き蟻と羽蟻は有性生殖で生産しているが、跡継ぎの女王は単為生殖で生産し、女王の遺伝子を全て受け継いでいるという発見は、既存の学説を根底から覆すほどの重要な発見である。さらに、シロアリの卵運搬行動を利用し、擬似卵に含ませた殺虫剤を巣内に導入するというシロアリの駆除技術の考案は、革新的な発明であり応用研究としても高く評価されている。
 このように同氏は基礎科学と応用科学の両分野で活躍しており、他の社会性昆虫への研究展開や社会生態一般の進化の研究など、今後の研究の展開が期待される。

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