日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_竹田 秀
竹田 秀
(タケダ シュウ)
TAKEDA Shu



生年 1968年 出身地 東京都
現職 慶應義塾大学医学部 特別研究准教授
(Associate Professor, the Faculty of Medicine, Keio University)
専門分野 骨・軟骨代謝学
略歴
1992年 東京大学医学部卒
1999年 ベイラー医科大学博士研究員
2002年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了
2002年 博士(医学)の学位取得(東京大学)
2004年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科特任講師
2005年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科特任助教授
2009年 慶應義塾大学医学部特別研究准教授(現在に至る)

授賞理由
「骨代謝制御における神経性制御という新たな概念の提唱と確立」
(Neuronal Control of Bone Metabolism)
 竹田秀氏は、食欲を調節するホルモンであるレプチンが、交感神経を介して骨の形成・吸収に関与していること、またレプチンと同様に食欲を調節する神経ペプチドであるニューロメジンUが、中枢神経を介して骨の代謝制御に関与していることを発見した。さらに、骨・軟骨の分化調節の分子機構に関しても多くの業績をあげてきた。
 従来、骨代謝にはホルモンやサイトカインなどの液性因子が関与することは知られていたが、同氏の研究は、神経系が骨代謝の制御に深く関与していることを明らかにし、骨代謝制御における新たな概念を提唱・確立した、極めて独創性・革新性に富んだ研究である。神経系と骨代謝系のネットワークの発見は、単に骨代謝制御機構の解明のみならず、臓器間の相互作用を視点とした代謝調節研究という新たな研究領域の先駆けとなった点でも大変意義深い。
 高齢化社会である我が国において、骨粗鬆症・変形性関節症などの患者は増加しており、骨代謝制御機構の解明は社会的波及効果も大きいと考えられる。
 竹田氏の研究は、骨を従来の概念から解放し、全身の代謝を積極的に制御する重要な臓器として捉えることによって、様々な代謝疾患に新たな視点を提供する可能性があり、今後の発展が期待される。

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