日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_齊藤 英治
齊藤 英治
(サイトウ エイジ)
SAITOH Eiji



生年 1971年 出身地 東京都
現職 東北大学金属材料研究所 教授
(Professor, Institute for Materials Research, Tohoku University)
専門分野 固体物理
略歴
1996年 東京大学工学部卒
1998年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
2001年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
2001年 博士(工学)の学位取得(東京大学)
2001年 慶應義塾大学理工学部助手
2006年 慶應義塾大学理工学部専任講師
2007年 科学技術振興機構「さきがけ」研究者兼任
2009年 東北大学金属材料研究所教授(現在に至る)

授賞理由
「スピン流物理現象及び応用技術の開拓」
(Exploration of Physical Phenomena and Application Technology Based on Spin Currents)
 現代の電子情報処理デバイスは、電荷の流れである電流により駆動されている。しかし、電子には電荷以外に、電子の自転である「スピン」の自由度があり、スピンにも情報を担わせることが可能である。電子の持つスピン角運動量の流れであるスピン流は、エネルギー消費の小さい情報伝達や不揮発で高密度な情報記憶を可能にすると考えられおり、未来のエレクトロニクスにおいて重要な役割を果たすことが期待されている。齊藤英治氏はこのスピン流に関する基礎的な発見を行い、その学理の構築に大きな貢献をした。
 同氏は独自のスピン流検出法を用い、スピン流の物性開拓を行ってきた。その中でも、スピン流が電場に変換される「逆スピンホール効果」や、熱からスピン流を生成する「スピンゼーベック効果」の発見は、スピンを省エネルギー技術へ応用する可能性を示した画期的なものである。さらに、「電流に対しては絶縁体であるがスピン流に対しては金属である物質群」の存在を指摘し、スピン流物理の構築を先導してきた。現象の本質を単純な実験系を用いて解き明かす齊藤氏の研究は、近年のエレクトロニクス研究の方向性に大きな影響を与えており、更なる発展が期待される。

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