日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_森 肇志
森 肇志
(モリ タダシ)
MORI Tadashi



生年 1970年 出身地 愛知県
現職 東京大学大学院法学政治学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Law and Politics, The University of Tokyo)
専門分野 国際法学
略歴
1992年 東京大学法学部卒
1994年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
1997年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退
1997年 東京大学社会科学研究所助手
2000年 東京都立大学法学部助教授
2003年 日本学術振興会海外特別研究員
2006年 首都大学東京大学院社会科学研究科助教授
2007年 首都大学東京大学院社会科学研究科准教授
2008年 博士(法学)の学位取得(東京大学)
2008年 首都大学東京大学院社会科学研究科教授
2010年 東京大学大学院法学政治学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「国際法上の自衛権概念の歴史的展開」
(Historical Development of the Right of Self-Defence in International Law)
 森肇志氏の業績は、未公刊資料を含む膨大な文献の検討によって、国際法において最も重要かつ根幹的な問題である自衛権概念の歴史的変遷を解明したものである。これほど包括的な研究は国際的にみても例がなく、また新たな学説の提起に成功した。
 同氏によれば、歴史的に、自衛権には「治安措置型」と「防衛戦争型」の2類型があり、後者はさらに「個別的」と「集団的」の2つに分けられるが、こうした概念の相違が曖昧にされてきたため、国連憲章51条にいう「武力攻撃が発生した場合」の要件に関する解釈が混乱してきたという。同氏は、この要件は「防衛戦争型」のうちの「集団的」自衛権の制限を専ら意図したものとの解釈を示し、同条に関する新たな学説を提示し、学問的論争に多大な影響を与えた。
 同氏の研究は、日本の国際法学研究の最高水準にあり、国際的にも大きなインパクトを与えるものである。森氏は引き続き国連憲章制定後の自衛権の分析に精力的に取り組んでおり、今後、自衛権研究の分野で世界をリードすることが大いに期待される。

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る