日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_髙岸 輝
髙岸 輝
(タカギシ アキラ)
TAKAGISHI Akira



生年 1971年 出身地 大阪府
現職 東京工業大学大学院社会理工学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Decision Science and Technology, Tokyo Institute of Technology)
専門分野 日本美術史
略歴
1994年 東京藝術大学美術学部卒
1996年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了
2000年 東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了
2000年 博士(美術)の学位取得(東京藝術大学)
2000年 日本学術振興会特別研究員-PD
2001年 プリンストン大学訪問研究員
2004年 財団法人大和文華館学芸部員
2005年 東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授
2007年 東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「室町時代における絵巻の制作と享受に関する研究」
(A Study of the Execution and Appreciation of Picture Handscrolls in the Muromachi Period)
 髙岸輝氏は、美術史の専門家として国内外に所蔵される原本の調査に基づく室町時代の絵巻の研究に取り組むとともに、歴史学的な視点から絵巻の制作・鑑賞・流通の過程を生き生きと描き、中世文化史研究の新たな発展に寄与した。
 従来、絵巻においては平安・鎌倉時代の個々の優品に関する考察が中心であり、室町期の作品研究は遅れていたが、同氏は、室町期の絵巻の展開を体系的にとらえると同時に、絵巻制作のパトロンであり収集者・享受者でもあった足利将軍や大名、及び実際の絵巻制作を担った土佐派などの画派に関し、広く文献を渉猟し、絵巻をめぐる当時の人々の心性と行動を明らかにした。
 同氏の研究は、美術史学、歴史学、文学の枠を超えた総合的な文化研究の優れた実例であり、それが広範な読者をひきつける平明な文章で叙述されている点も高い評価に値する。今後、髙岸氏の優れた研究成果が、日本国内のみならず国外に向けても発信され、国際的な視野をもつ日本学の発展に貢献することが期待される。

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