日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_竹田 潔
竹田 潔
(タケダ キヨシ)
TAKEDA Kiyoshi



適宜
生年 1966年 出身地 大阪府
現職 大阪大学大学院医学系研究科 教授
(Professor, Graduate School of Medicine, Osaka University)
専門分野 免疫学
略歴
1992年 大阪大学医学部卒
1997年 日本学術振興会特別研究員-DC
1998年 大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了
1998年 博士(医学)の学位取得(大阪大学)
1998年 兵庫医科大学医学部助手
1999年 大阪大学微生物病研究所助手
2003年 九州大学生体防御医学研究所教授
2007年 大阪大学大学院医学系研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「自然免疫系による腸管粘膜免疫系の制御機構の解明」
(Regulation of Homeostasis in Intestinal Mucosal Immune System)
 食物の消化吸収を行う腸内には多くの細菌が共生しており、食物の消化や病原微生物に対する生体防御などを通じ、腸管の恒常性の維持に重要な役割を果たしている。
 竹田潔氏は、遺伝子欠損マウスの作成技術を用い、免疫系のホルモンというべきサイトカインのシグナル伝達に関わる分子や、病原微生物を検知するセンサーであるToll-like receptor(TLR)ファミリーの遺伝子改変マウスを作成し、腸内細菌による自然免疫系の恒常的活性化が、これまで発症の原因が不明とされていた炎症性腸疾患の発症に深く関与していることを明らかにした。さらに腸管粘膜局所に特有の自然免疫系細胞が存在することをつきとめ、この細胞が腸内細菌由来のアデノシン3リン酸(ATP)を利用して炎症を引き起こす細胞の分化に機能することを明らかにするなど、腸内細菌と自然免疫系による腸管粘膜免疫系の制御機構の理解に貢献してきた。
 同氏の業績は、自然免疫系と炎症性腸疾患発病との関連という新しい切り口を提示した研究であり、粘膜免疫学の新たな潮流を作り出しつつあり、今後の研究の更なる発展が期待される。

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る