日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_西村 玲
西村 玲
(ニシムラ リョウ)
NISHIMURA Ryo



生年 1972年 出身地 東京都
現職 財団法人東方研究会 研究員
(Research Fellow, The Eastern Institute)
専門分野 日本思想史
略歴
1996年 東北大学文学部卒
1998年 東北大学大学院文学研究科修士課程修了
2004年 東北大学大学院文学研究科博士課程修了
2004年 博士(文学)の学位取得(東北大学)
2004年 財団法人東方研究会研究員
2005年 日本学術振興会特別研究員-SPD
2008年 財団法人東方研究会研究員(現在に至る)

授賞理由
「普寂を中心とする日本近世仏教思想の研究」
(The Buddhist Thoughts in Early Modern Japan focusing on the Scholar-Monk Fujaku 1707-1781)
 西村玲氏は、日本近世(江戸時代)の独創的な仏教思想家であり実践者である普寂(ふじゃく 1707-1781)の思想を分析し、従来の研究では形骸化した思想として軽視されがちであった近世仏教思想に対して、新たな視点からの再評価を行った。
 近世という時代は、須弥山を中心とした仏教の宇宙像に対する西洋科学の地球説からの批判や、大乗仏教を釈迦の説とする見解への疑問など、仏教界が重要な思想問題に直面した時期であった。同氏は、普寂がこれらの重要問題と正面から向き合い、世俗的知識人からの世俗化・非宗教化の動きに抗して、仏教の内なる近代化を準備しつつ仏教の宗教性を復権させようとした過程を、生き生きとした筆致で描き出し、近世仏教思想の新しい側面を明らかにした。
 今後、仏教の教理的な理解を更に深めるとともに、中国を視野に入れ、かつ、中世から近代まで時代的射程を広げることによって、日本近世仏教思想史の確立にむけて研究を更に発展させることが期待される。

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