日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_吉村崇
吉村 崇
(ヨシムラ タカシ)
YOSHIMURA Takashi



生年 1970年 出身地 滋賀県
現職 名古屋大学大学院生命農学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University)
専門分野 動物分子生理学
略歴
1993年 名古屋大学農学部卒
1995年 名古屋大学大学院農学研究科博士前期課程修了
1995年 日本学術振興会特別研究員-DC
1996年 名古屋大学大学院農学研究科博士後期課程中退
1996年 名古屋大学農学部助手
1999年 博士(農学)の学位取得(名古屋大学)
2005年 名古屋大学大学院生命農学研究科助教授
2007年 名古屋大学大学院生命農学研究科准教授
2008年 名古屋大学大学院生命農学研究科教授(現在に至る)
2008年 名古屋大学生命農学研究科附属鳥類バイオサイエンス研究センター長(現在に至る)

授賞理由
「春を感知するウズラの生物時計の仕組み」
(Seasonal Clock Percepts Coming of Spring in Vertebrate - Quail as a Model Animal)
 生物にとって「季節を読み取る」仕組みは生存、とくに繁殖のために必要不可欠なものである。吉村崇氏は日照時間が長くなると成熟するウズラを用いて、春の情報を感知する生物時計の仕組みを解明した。
 生物が季節の変化による日長の変化に適応し、多種多様な生理機能を調節する機構を光周性と呼ぶ。同氏は、ウズラをモデルとし、光周性を制御する鍵遺伝子 (DIO2)を世界で初めて見い出し、視床下部内側基底部に日長を読み取る時計が存在することを突き止めた。さらに約3万個の遺伝子の中から光周性に関わる遺伝子群を同定し、その遺伝子群の機能解析から、甲状腺刺激ホルモンが視床下部に作用して生殖腺の発達を促すことにより、脳に春の情報を伝達する仕組みを発見した。
 同氏の業績は、時間生物学の基礎研究にとどまらず、動物の季節繁殖行動の制御による農学や畜産学への応用研究に大きく貢献することが期待される。

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