日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_鳥居啓子
鳥居 啓子
(トリイ ケイコ)
TORII Keiko U



生年 1965年 出身地 東京都
現職 ワシントン大学生物学部 アソシエイトプロフェッサー
(Associate Professor, Department of Biology, University of Washington)
専門分野 植物発生遺伝学、植物分子生物学
略歴
1987年 筑波大学第二学群生物学類卒
1989年 筑波大学大学院生物科学研究科修士課程修了
1992年 日本学術振興会特別研究員-DC(1993年からPD)
1993年 筑波大学大学院生物科学研究科博士課程修了
1993年 博士(理学)の学位取得(筑波大学)
1993年 東京大学遺伝子実験施設
1994年 イェール大学分子細胞発生学部ブラウン博士研究員
1995年 日本学術振興会海外特別研究員
1997年 ミシガン大学生物学部博士研究員
1999年 ワシントン大学生物学部アシスタントプロフェッサー
2005年 ワシントン大学生物学部アソシエイトプロフェッサー(現在に至る)
2008年 科学技術振興機構さきがけ研究員(現在に至る)

授賞理由
「植物の気孔のパターン形成と分化のメカニズムの解明」
(Mechanisms of Stomatal Patterning and Differentiation in Plants)
 鳥居啓子氏は、遺伝学的・分子生物学的解析によって、植物の表皮において気孔が分化する分子メカニズムを明らかにした。
 気孔は、二酸化炭素・酸素や水分の出入りを調節する通気口であり、植物の生育には、表皮において適切な数の気孔が適切な位置に作られることが必須である。しかし、植物の表皮において気孔がつくられる仕組みはまったく解っていなかった。気孔は、孔辺細胞と呼ばれる一対の細胞に囲まれている。同氏は、シロイヌナズナの突然変異体を独自の方法で探索することにより、3つの類似転写因子が次々に作用することによって、未分化な表皮細胞が孔辺細胞に分化することを示し、また、気孔の数や位置を決める細胞間シグナルの受容体を明らかにした。
 同氏の解明した気孔形成システムは、植物分化の最もシンプルかつ美しいシステムとして世界の注目を集めている。同氏の業績は、動植物に共通する細胞分化機構の本質に迫るものであり、研究の更なる発展が期待される。

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る