日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_沢村達也
沢村 達也
(サワムラ タツヤ)
SAWAMURA Tatsuya



生年 1964年 出身地 滋賀県
現職 国立循環器病センター脈管生理部 部長
(Director, Department of Vascular Physiology, National Cardiovascular Center)
専門分野 血管生物学
略歴
1988年 筑波大学医学専門学群卒
1991年 日本学術振興会特別研究員-DC
1992年 筑波大学大学院医学研究科博士課程修了
1992年 博士(医学)の学位取得(筑波大学)
1992年 京都大学医学部助手
1998年 国立循環器病センター研究所室長
2003年 国立循環器病センター脈管生理部長(現在に至る)

授賞理由
「循環器疾患克服に向けた血管機能異常の分子機構解明」
(Elucidation of the Mechanisms of Vascular Dysfunction Leading to Cardiovascular Diseases)
 血管は心筋梗塞、脳卒中などの疾患に関与する重要な臓器である。沢村達也氏は、動脈硬化を促進する悪玉脂質の一つである酸化LDLの受容体として、血管の一番内側にある内皮細胞に発現しているLOX-1という分子を同定し、その遺伝子クローニングに成功した。さらにLOX-1の機能がないマウスの開発と解析、ヒトにおけるLOX-1の機能解析などを通し、その生物学的、臨床医学的な意義の解明という一連の研究を行った。
 その結果、高血圧、糖尿病、高脂血症などの種々の病態においてLOX-1の発現が亢進していること、LOX-1に酸化LDLが結合することにより、生体に有害な活性酸素が産生され、体に有利な血管拡張物質であるNOの放出が低下することを明らかにした。さらに、LOX-1機能の制御が血管内皮機能障害・動脈硬化・血栓・心筋梗塞・カテーテル治療後の血管再狭窄・各種炎症反応・腫瘍に対する治療効果など、多くの疾病とその制御に重要な意義を持つことを証明した。
 同氏の研究は循環器疾患の新たな治療法の開発につながると期待される。

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