日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_小泉修一
小泉 修一
(コイズミ シュウイチ)
KOIZUMI Schuichi



生年 1963年 出身地 長野県
現職 山梨大学大学院医学工学総合研究部 教授
(Professor, Interdisciplinary Graduate School of Medicine and Engineering, University of Yamanashi)
専門分野 中枢神経薬理学、生理学
略歴
1987年 九州大学薬学部卒
1989年 九州大学大学院薬学研究科修士課程修了
1992年 九州大学大学院薬学研究科博士課程修了
1992年 博士(薬学)の学位取得(九州大学)
1992年 ヒューマンサイエンス振興財団博士研究員
1995年 厚生省厚生技官
1996年 ケンブリッジ大学ベイブラハム研究所博士研究員
1998年 国立医薬品食品衛生研究所主任研究官
2002年 国立医薬品食品衛生研究所室長
2007年 山梨大学大学院医学工学総合研究部教授(現在に至る)

授賞理由
「グリア細胞による脳機能の制御」
(Glial Regulation of the Brain Function)
 脳内には神経活動の基本である情報の伝達に直接関与する神経細胞(ニューロン)とそれ以外のグリア細胞がある。これまでは脳活動の主役として神経細胞に研究が集中し、グリア細胞はあまり重要とは考えられていなかった。小泉修一氏は、脳内におけるグリア細胞による神経細胞の機能制御機構を明らかにし、今までの考え方に修正を迫るインパクトを与えた。
 脳機能に関する情報伝達は主として神経細胞同士を結ぶシナプスと呼ばれる装置間で行われている(シナプス伝達)。同氏は「グリア細胞がアデノシン3リン酸(ATP)という分子を放出する事によりシナプス伝達を巧妙に制御する」という事実を発見した。中枢神経系の制御に関して、グリア細胞に注目するということ自体が極めて斬新であったが、さらにこれを証明するための実験が精緻であった。
 同氏の業績は、多くの研究者をグリア細胞の働きに注目させる端緒となり、グリア研究の発展の原動力となっており、この分野の更なる発展が期待される。

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