日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_勝野雅央
勝野 雅央
(カツノ マサヒサ)
KATSUNO Masahisa



生年 1971年 出身地 愛知県
現職 名古屋大学高等研究院 特任講師
(Designated Associate Professor, Institute for Advanced Research, Nagoya University)
専門分野 神経変性疾患の病態に基づく治療法開発
略歴
1995年 名古屋大学医学部卒
2003年 名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了
2003年 博士(医学)の学位取得(名古屋大学)
2003年 名古屋大学大学院医学系研究科客員研究員
2004年 長寿科学振興財団リサーチレジデント
2005年 名古屋大学大学院医学系研究科研究員
2005年 長寿科学振興財団リサーチレジデント
2006年 名古屋大学高等研究院特任講師(現在に至る)

授賞理由
「神経変性疾患の病態解明および治療法開発」
(Development of Pathogenesis-Based Therapy for Neurodegenerative Diseases)
 勝野雅央氏は、神経変性疾患の分子病態の解明から、その病態の進行を抑制する治療法を開発し、有効な治療法がなかった難治性神経変性疾患が治療可能であることを初めて明らかにした。
 運動神経の異常から全身の筋肉の萎縮が進行する球脊髄性筋萎縮症という神経変性疾患の一つの病型がある。同氏は、男性ホルモンであるアンドロジェンの受容体に変異が生じ、異常な受容体が運動神経細胞の核内へ移行することで、この病気が発症することを突き止めた。異常受容体の核内移行には、受容体とアンドロジェンとの結合が必要であることから、この結合を阻害する薬物が本疾患の進行を完全に抑制すると考え、それを動物実験で証明した。続いて、全国規模の臨床治験を自らが中心となって推進し、本疾患が治療可能であることを明らかにした。
 同氏の業績は、難治性の神経変性疾患の分子病態の解明が、進行を抑制する治療法の開発に直結することを、臨床の現場で初めて実証したものであり、臨床現場での実用化が期待される。

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