日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_羽澄昌史
羽澄 昌史
(ハズミ マサシ)
HAZUMI Masashi



生年 1964年 出身地 愛知県
現職 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 教授
(Professor, Institute of Particle and Nuclear Studies, High Energy Accelerator Research Organization)
専門分野 素粒子物理実験、高エネルギー物理学
略歴
1988年

東京大学理学部卒

1990年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
1993年 日本学術振興会特別研究員-DC
1993年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了
1993年 博士(理学)の学位取得(東京大学)
1994年 大阪大学理学部助手
2001年 高エネルギー加速器研究機構助教授
2007年 高エネルギー加速器研究機構准教授
2007年 高エネルギー加速器研究機構教授(現在に至る)

授賞理由
「B中間子におけるCP対称性の破れの発見」
(Discovery of CP Violation in B Mesons)
 羽澄昌史氏は、クォークと反クォークからなる中間子の一種であるB中間子においてもCP(荷電パリティ)対称性が破れていることを、精密実験により世界で初めて検証した。CP対称性の破れとは、粒子と反粒子の間の挙動の違いであり、ビッグバン後の宇宙に物質を作るために必要な条件の一つである。CP対称性の破れは1964年にK中間子の崩壊で初めて発見されたが、小林・益川両氏が提唱した理論に基づくと、クォークは6種あり、その内bクォークを含むB中間子の崩壊ではより大きな破れが予言されていた。
 同氏は、高エネルギー加速器研究機構の施設を用いた精密測定において、その要となる崩壊点検出器を開発し、データ解析グループのリーダーとして中心的に解析を行い、B中間子の時間に依存するCP対称性の破れを明らかにした。この結果は小林・益川両氏の理論を強く支持し、素粒子の標準理論の確立に大きく寄与するものである。
 同氏は、実験の統計をさらに一桁以上向上させる計画を進めており、精度を上げた標準理論の検証と、標準理論を超えた物理の発見が期待されている。

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る