日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_田畑仁
田畑 仁
(タバタ ヒトシ)
TABATA Hitoshi



生年 1964年 出身地 滋賀県
現職 東京大学大学院工学系研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo)
専門分野 機能性酸化物、人工格子、バイオエレクトロニクス
略歴
1988年

京都大学工学部卒

1988年 川崎重工業株式会社技術研究所研究員
1994年 大阪大学産業科学研究所助手
1995年 博士(理学)の学位取得(大阪大学)
1997年 大阪大学産業科学研究所助教授
2002年 大阪大学産業科学研究所教授
2006年 東京大学大学院工学系研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「酸化物人工格子およびナノバイオ融合エレクトロニクス研究」
(Studies on Fusion Electronics of Nano-Bio and Oxide Artificial Superlattices)
 田畑仁氏は、「構造」と「電子状態」を原子・分子単位まで制御することにより、材料を作り出す研究を行い、新しい物性を有する材料の発見に寄与してきた。
 同氏は、酸化物の薄膜を形成するためレーザー分子線エピタキシー法における独自の手法を開発し、それを駆使して、原子層単位で、格子の歪や結晶成長面の方位を制御することにより、巨大な誘電物性や、磁性を持つ物質を作り出した。このような様々な物性の創出に成功した知見をもとに、室温で強磁性を示す物質を酸化物磁性半導体で初めて実現している。
 さらに、有機および無機物質を原子や分子の層として作り出すことにより、生体機能の模倣、DNA分子の電気伝導特性の実測、さらにトランジスタ素子によるDNA遺伝情報の検出に成功するなど、バイオおよび半導体エレクトロニクスの融合を推進している。
 同氏の業績は、未開であった酸化物磁性半導体を対象に、電子状態を制御するいわゆるスピントロニクス研究を推進し、酸化物エレクトロニクス分野を切り拓くとともに、将来の分子・バイオエレクトロニクスの基礎を築いたものであり、次世代エレクトロニクスの開拓者として、今後の研究の発展が大いに期待される。

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