日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_溝口 孝司
溝口 孝司
(ミゾグチ コウジ)
MIZOGUCHI Koji



生年 1963年 出身地 福岡県
現職 九州大学大学院比較社会文化研究院 助教授
(Associate Professor, Graduate School of Social and Cultural Studies, Kyushu University)
専門分野 考古学
略歴
1986年 九州大学文学部卒
1988年 九州大学大学院文学研究科修士課程修了
1994年 ケンブリッジ大学大学院考古学科博士課程修了
1994年 九州大学大学院比較社会文化研究科助教授
1995年 Ph.D.の学位取得(ケンブリッジ大学)
2000年 九州大学大学院比較社会文化研究院助教授)

授賞理由
「社会考古学の理論的・方法論的開発と応用研究」
(Theoretical and Methodological Development of Social Archaeology and its Applications)
 溝口孝司氏は、社会構造の複雑化と時間観念の変遷との同調関係を考古学の場で検証し、日本近代化における社会構造の変動と考古学研究の相関性について考察を行った。これらの研究により同氏は、日本考古学が世界の考古学の重要なフィールド/資源たり得ることを、海外の考古学研究者に認識させた。
 同氏は、考古学的墓地遺跡に見られる埋葬の形態に、死者が円環的な時間観念に基づいて埋葬されるケースと直線的系譜的時間観念に基づいて埋葬されるケースを識別し、先史時代の墓地空間構造の研究を通じて、埋葬形態が示す時間観念の移行が社会構造の進展と関わっていることを指摘した。この墓地分析法と同氏の理論的な枠組みは、先史時代の墓地研究に新たな視点を導入するものとして国際的に注目を集めた。また、同氏は考古学研究の手法・構造と近現代社会の変動との連関性を考察し、考古学と社会の関係をテーマとする「社会考古学」の先駆的役割を果たした。
 同氏は、研究成果を積極的に海外に発信しており、今後一層の国際的活躍が期待される。

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