日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_福江 充
福江 充
(フクエ ミツル)
FUKUE Mitsuru



生年 1963年 出身地 富山県
現職 富山県[立山博物館]主任・学芸員
(Curator, Tateyama Museum of Toyama)
専門分野 立山の歴史・信仰
略歴
1986年 大谷大学文学部卒
1989年 大谷大学大学院文学研究科修士課程修了
1990年 富山県[立山博物館]建設準備室学芸員
1991年 富山県[立山博物館]学芸員
1998年 富山県[立山博物館]主任・学芸員(現在に至る)
2005年 博士(文学)の学位取得(金沢大学)

授賞理由
「近世立山信仰の展開」
(The Actual Development of Tateyama Beliefs during the Edo Period)
 福江 充氏は、立山信仰の特質を歴史民俗学的視点から考察し、民俗資料から仏教美術に至る各種の史料と寺坊等に残る膨大な近世文書群を博捜して立山信仰衆徒の勧進布教活動の実態を解明し、この分野で他の追随を許さない成果を挙げた。
 同氏は、立山信仰の拠点である芦峅寺(あしくらじ)の近世における勧進活動に関して、加賀藩・幕府の宗教統制、檀那場(だんなば)形成及び衆徒の廻檀(かいだん)配札活動を中心に綿密な調査を行い、廻檀帳のデータベース整理と分析を通して、複数の地域における立山信仰衆徒の勧進活動の実態を明らかにした。さらに、血盆経(けつぼんきょう)、布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)など立山信仰を特徴づける女人救済信仰や、立山曼荼羅を用いた絵解き文化についても、その由来の検証を通して、近世後期以降に大きく開花したことを指摘し、かつ、これらの信仰や文化が立山信仰の普及に果たしてきた役割を解明した。
 同氏の業績は、立山信仰研究の基盤となるだけでなく、山岳信仰史研究にとっても不可欠の視座を提示するものであり、今後、当該分野の研究を進展させることが期待される。

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