日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_石原あえか
石原 あえか
(イシハラ アエカ)
ISHIHARA Aeka



生年 1968年 出身地 東京都
現職 慶應義塾大学商学部 助教授
(Associate Professor, Faculty of Business and Commerce, Keio University)
専門分野 ドイツ文学
略歴
1992年 慶應義塾大学文学部卒
1994年 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了
1994年 日本学術振興会特別研究員-DC1
1998年 ケルン大学博士課程修了(主専攻:ドイツ語ドイツ文学)
1998年 Ph.Dの学位取得(ケルン大学)
1998年 日本学術振興会特別研究員-PD
1999年 慶應義塾大学商学部講師
2002年 日本学術振興会海外特別研究員
2002年 慶應義塾大学商学部助教授(現在に至る)

授賞理由
「ゲーテの《自然という書物》:近代ドイツ文学における自然科学受容についての一考察」
(Goethe's "Buch der Natur": Reception of Natural Sciences in German Literature during the 18th & 19th Centuries)
 世界各国の研究者がしのぎを削るゲーテ研究の分野で、日本人研究者が若くして顕著な成果を挙げるのは容易ではないが、石原 あえか氏は、ゲーテが生きた18世紀後半から19世紀前半までの近世ドイツにおける文学の歴史と科学・技術史の双方に注目して両者の緊密な関連を明らかにし、これまでゲーテの余事と見られていた彼の自然科学関連の論文を文学的見地から再評価した。
 同氏は、ドイツ各地の図書館・博物館等での地道な原資料研究を基に、神の手になる「書物」として自然を読み解こうとしたゲーテの足跡を追い、人文学と自然科学が分岐する以前の18世紀ドイツロマン主義の「知」のあり方を究明した。その際、文学作品のみならず自然科学関連学術雑誌・教科書等をも視野に入れることにより、文学作品を中心とする従来のゲーテ研究に奥行きと広がりを与えた。
 同氏の研究は、人文学と自然科学間の活発な会話・交流を促す契機を含んでおり、人文学の将来を考える上でも示唆に富んでいる。その意味でも、今後さらなる研究の深化と発展が期待される。

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