お問い合わせ先

独立行政法人日本学術振興会
人材育成事業部 研究者養成課
「日本学術振興会賞」事務局
〒102-0083
東京都千代田区麹町5-3-1
TEL03(3263)0912
FAX03(3222)1986

日本学術振興会賞

第14回(平成29年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第14回(平成29年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_中谷 惣
中谷 惣
(ナカヤ ソウ)
NAKAYA So



生年 1979年 出身地 兵庫県
現職 信州大学学術研究院教育学系 助教
(Assistant Professor, Academic Assembly Institute of Education, Shinshu University)
専門分野 イタリア中世史
略歴

2002年
2004年
2007年
2009年
2009年
2009年
2010年
2013年
2014年

熊本大学文学部卒
大阪市立大学大学院文学研究科前期博士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了
博士(文学)の学位取得(大阪市立大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
大阪市立大学都市文化研究センター博士研究員
大阪市立大学都市研究プラザ博士研究員
信州大学学術研究院教育学系助教 (現在に至る)

授賞理由
「中世後期イタリアにおける国家形成の具体相の解明」
(Research on State Formation in Late Medieval Italy)

  中谷惣氏は、中世後期のイタリア都市国家において、後の近代国家に引き継がれる国家的特徴が市民と国家との密な相互交渉のなかから立ち現れる具体的過程を解明した。
  すなわち近代国家を特徴づける国家理性という理念の現れは、すでに中近世ヨーロッパの国家形成において確認されるが、従来の研究は、その出現をもっぱら支配者の統治政策に注目して解明してきた。これに対して中谷氏の研究の画期性は、トスカーナの都市ルッカの未踏査の裁判記録と議会議事録に着目して、紛争の最中にある市民が法廷や議会に対し、実定法を超越した国家の善を唱えて法の適用除外や恩赦等を求め、そうした市民の訴えへの対応が既存の国家を新たな時代のものへと刷新していったという、「市井の人々による下からの国家形成」の具体相を明らかにした点に求められる。
  膨大なラテン語手稿史料を駆使した中谷氏の都市国家論は、国内外のヨーロッパ都市史研究に大きなインパクトを与え、さらに中国史やイスラーム史との比較研究、法制史や政治思想史との学際研究にも道を拓くものと期待される。

第14回(平成29年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る