日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_村上 裕
村上 裕
(ムラカミ ヒロシ)
MURAKAMI Hiroshi



生年 1972年 出身地 香川県
現職 名古屋大学大学院工学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering, Nagoya University)
専門分野 バイオテクノロジー
略歴

1995年
1997年
2000年
2000年
2000年
2003年
2007年
2009年
2015年

岡山大学工学部卒
岡山大学大学院工学研究科修士課程修了
岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(岡山大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
東京大学先端科学技術研究センター助手
東京大学先端科学技術研究センター助教
東京大学大学院総合文化研究科准教授
名古屋大学大学院工学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「非天然アミノ酸を含むペプチドの翻訳合成」
(Ribosomal Synthesis of Peptides Involving Non-natural Amino Acids)

  非天然アミノ酸を含むペプチドの合成技術の開発は、創薬分野においてきわめて重要な課題である。一方、生物が持っている仕組みを利用してペプチドを合成する従来の手法においては、鍵となる酵素(転移RNA合成酵素)が非天然アミノ酸を基質として認識しないため、非天然アミノ酸を含むペプチドを効率良く合成し、創薬につなげることは困難であった。
  村上裕氏は、非天然アミノ酸を認識可能な転移RNA合成酵素の開発において中心的な役割を果たし、さらに、天然アミノ酸の鏡像体(D―アミノ酸)を含む非天然ペプチドを迅速に合成することに成功した。また、疾病に関わるタンパク質に結合する非天然ペプチドを迅速・簡便に得ることのできる機能性ポリペプチドの選択法を開発し、人工RNA触媒を用いた多様なペプチドの効率的な合成を実現した。さらに、これらの手法を応用して抗がん標的として重要な血管新生阻害剤の創製にも成功している。
  このように、村上氏の非天然ペプチドの翻訳合成に関する研究は独創的であり、関連する学術分野に大きな貢献をなした。

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