日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_志甫 淳
志甫 淳
(シホ アツシ)
SHIHO Atsushi



生年 1971年 出身地 兵庫県
現職 東京大学大学院数理科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Mathematical Sciences, The University of Tokyo)
専門分野 数論幾何学
略歴

1993年
1995年
1996年
1997年
1997年
1997年
1999年
2002年
2007年
2014年

東京大学理学部中退(飛び級制度により修士課程入学)
東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了
博士(数理科学)の学位取得(東京大学)
東北大学大学院理学研究科数学専攻助手
日本学術振興会海外特別研究員
東京大学大学院数理科学研究科助教授
東京大学大学院数理科学研究科准教授
東京大学大学院数理科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「p進数論幾何学におけるコホモロジー論、基本群論の研究」
(Cohomologies and Fundamental Groups in p-adic Arithmetic Geometry)

  志甫淳氏は、位相幾何学で創始されたコホモロジーや基本群の理論を、素数pを一つ指定して展開される「標数p」の世界での数論幾何学に導入することに果敢に挑戦し、基礎理論の構築を進めている。得られた成果はいずれも基本的かつ根源的なものである。
  整数論の諸問題を幾何学的に捉え代数幾何学の手法で解明していく数論幾何学において、複素数に代表される標数ゼロの世界に比べ、標数pの世界の様相は著しく異なり大きな隔たりがあると認識されている。その中で志甫氏は数々の困難を克服して、標数pの世界での「クリスタル基本群」を定式化し、比較定理などの基本的性質を見出した。また、標数ゼロの世界のコホモロジーにおける混合ホッジ構造の変動理論のp進版を確立した。さらに「志甫予想」を提唱し、開多様体のp進コホモロジーの研究動向にも大きな影響を与えている。
  以上の通り、志甫氏の業績はp進数論幾何学の根幹を支えるものである。

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