日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_野町 素己
野町 素己
(ノマチ モトキ)
NOMACHI Motoki



生年 1976年 出身地 東京都
現職 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター 准教授
(Associate Professor, Slavic-Eurasian Research Center, Hokkaido University)
専門分野 スラブ語学
略歴

2000年
2002年
2003年
2007年
2008年
2008年
2011年

東京大学文学部卒
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了
ワルシャワ大学東洋文化研究所日本学科講師
日本学術振興会特別研究員-DC(2008年からPD)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学
北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター准教授
博士(文学)の学位取得(東京大学)(現在に至る)

授賞理由
「カシュブ語を中心とするスラヴ諸語の形態統語構造ならびにその通時的・地理的変化に関する類型論的研究」
(Typological Studies in Slavic Morphosyntax and Its Diachronic and Areal Changes: With Special Reference to Kashubian)

  カシュブ語は、ポーランド北部のポメラニア地方で話され、ユネスコが認める消滅危機言語のひとつであるが、これまでその音声学・音韻論、形態論、語彙研究に比して、形態統語論研究は進んでいなかった。野町素己氏は、徹底したフィールドワークで収集した現代カシュブ語の資料や通時的資料とを駆使し、カシュブ語の形態統語構造の解明を飛躍的に進展させた。野町氏は、カシュブ語がドイツ語とポーランド語の両言語から受けたさまざまな地理的、通時的変化を追跡するとともに、その変化に言語類型論的に貴重な「逆行現象」が生じていることを指摘し、その主な要因の一つがポーランド語の影響である可能性を示した。
  野町氏は、カシュブ語研究の方法論をルーマニア語、セルビア語、ハンガリー語との接触がみられるブルガリア語バナト方言の研究にも適用し、言語変化が生じる背景と変化の帰結を解明しつつあり、言語類型論、言語接触論、社会言語学などの諸側面において、スラヴ諸語研究の深化に大きく貢献した。

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