日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_松林 嘉克
松林 嘉克
(マツバヤシ ヨシカツ)
MATSUBAYASHI Yoshikatsu



生年 1971年 出身地 三重県
現職 名古屋大学大学院理学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Science, Nagoya University)
専門分野 植物分子生理学、生理活性物質化学
略歴

1993年
1995年
1995年
1997年
1997年
1997年
1999年
2002年
2007年
2011年
2014年

名古屋大学農学部卒
名古屋大学大学院農学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程修了
博士(農学)の学位取得(名古屋大学)
生物系特定産業技術研究推進機構研究員
名古屋大学大学院生命農学研究科助手
名古屋大学大学院生命農学研究科助教授
名古屋大学大学院生命農学研究科准教授
自然科学研究機構基礎生物学研究所教授
名古屋大学大学院理学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「植物形態形成および環境応答に関わる新規ペプチドホルモン群の発見」
(Identification of Novel Peptide Hormones Involved in Plant Growth and Environmental Responses)

  植物のペプチドホルモンは生体内の存在量が微量であり、外部から与えても植物体内への透過が難しく、1991年にその存在が予想された後も実体が不明であった。松林嘉克氏は植物細胞培養液から分裂活性を促進する分子を探索し、生化学的手法を駆使して植物における最初の短鎖分泌型ペプチドホルモンであるファイトスルフォカインの単離に成功するとともに、その受容体の同定に成功した。松林氏は植物体を液体培地中に沈めるという簡単な操作で生体からも成熟型ホルモンを効率良く単離できることを発見し、この方法によって、植物体地上部と地下部の幹細胞を制御する分泌型ペプチドを同定した。さらに、根が窒素欠乏を感じると分泌性ペプチドホルモンが発現し、それが地上部へ移動し、地上部で二次シグナルに変換されて、地下部での窒素吸収を制御する仕組みを発見した。このように、松林氏は、独自の研究により植物のペプチドホルモン研究分野を生み出し、先導し続けており、植物科学の多くの分野に影響を与えており、今後の研究の発展が多いに期待される。

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