日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_川口 章
川口 章
(カワグチ アキラ)
KAWAGUCHI Akira



生年 1976年 出身地 岡山県
現職 岡山県農林水産部 主任
(Chief, Department of Agricultural, Forestry and Fisheries, Okayama Prefectural Government)
専門分野 植物病理学
略歴

2000年
2002年
2002年
2007年
2007年
2009年
2010年
2015年

九州大学農学部卒
九州大学大学院生物資源環境科学府修士課程修了
岡山県農業総合センター農業試験場技師
岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了
博士(農学)の学位取得(岡山大学)
岡山県農業総合センター農業試験場研究員
岡山県農林水産総合センター農業研究所研究員
岡山県農林水産部主任(現在に至る)

授賞理由
「植物病害ブドウ根頭がんしゅ病の生物的防除法の開発」
(Development of Biological Control for Grapevine Crown Gall)

  「根頭がんしゅ病」は、ブドウなど果樹の茎や根に「がんしゅ」と呼ばれる腫瘍を形成して成育不良や枯死を引き起こす病害である。この病害に対しては、これまで有効な防除法がなく、さらに病害の拡大を防止する早期診断の方法がないため、世界中のブドウをはじめとする果樹や農作物の生産現場において大きな脅威となっていた。
  川口章氏は、この問題に粘り強く取り組み、果樹のなかでも被害の大きなブドウ根頭がんしゅ病の原因細菌の迅速で簡便な診断方法を確立した。さらに、この病気に対して拮抗作用を有する細菌を選抜し、実用レベルの発病抑制効果を持つ「ARK-1」という菌株の選抜に成功した。この菌株を用いた新防除技術は、国内はもとより世界中で有効であることが確認され、さらにモモ、リンゴ、トマトなどの他の農作物に有効であることもわかった。また、この防除機構が病原性遺伝子の発現を抑制するという特異なメカニズムによることを明らかにしたことは、基礎科学としても高く評価できる。
  川口氏は、病害診断や防除指導など生産現場の業務を遂行しながら、世界に通じる高度な研究を行っている。今後の更なる研究の発展と研究者としての成長が期待される。

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