日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_日野 正訓
日野 正訓
(ヒノ マサノリ)
HINO Masanori



生年 1971年 出身地 大阪府
現職 大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering Science, Osaka University)
専門分野 確率解析
略歴

1993年
1995年
1995年
1998年
1998年
1998年
1998年
1998年
2002年
2007年
2013年

京都大学理学部卒
京都大学大学院理学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
京都大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(京都大学)
京都大学大学院理学研究科助手
京都大学大学院情報学研究科助手
京都大学大学院情報学研究科講師
京都大学大学院情報学研究科助教授
京都大学大学院情報学研究科准教授
大阪大学大学院基礎工学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「ディリクレ形式の理論による確率解析のフラクタルへの応用」
(Theory of Dirichlet Forms and Application to Stochastic Analysis)

  葉の葉脈や海岸線の形状などに見られる複雑な形状を数学的にとらえた対象は、その自己相似性からフラクタルと呼ばれ、ネットワークなどの複雑な数理対象の解析のモデルとなる。 こうした複雑な構造における微分積分学を確率解析により基礎づける上で、重要な役割を果たすのがディリクレ形式である。その基礎理論は、近年、フラクタルを含む複雑な幾何学的構造を持つ対象に拡大され、その上での確率解析が確立されてきている。こうしたなかで日野正訓氏は、確率論的な幾何学を構築する上での重要な基礎理論をディリクレ形式に基づいて確立した。ヴァラダーン評価と呼ばれる熱方程式の解の漸近挙動に相当する評価を示し、またディリクレ形式上のエネルギー測度の特異性を確立するなど、優れた成果を挙げてきた。特にマルチンゲール次元と呼ばれる、確率過程に起因する解析学的な「次元」を研究し、一般フラクタル上でのマルチンゲール次元を確定し、この方面の長年の未解決予想を解決した。日野氏の確率解析における独創的な手法は、複雑で微分構造を持たないフラクタルなどの対象に対して微分幾何学や微分方程式論といった解析的研究を可能にする業績として高く評価され、今後の更なる発展が期待される。

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