日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_村山 航
村山 航
(ムラヤマ コウ)
MURAYAMA Kou



生年 1977年 出身地 兵庫県
現職 レディング大学心理学部 准教授
(Associate Professor, Department of Psychology, University of Reading)
専門分野 教育における動機づけ、学習
略歴

2000年
2002年
2004年
2006年
2006年
2006年
2009年
2010年
2012年
2013年
2014年
2015年

東京大学教育学部卒
東京大学大学院教育学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了
博士(教育学)の学位取得(東京大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
ミュンヘン大学心理学部研究員
アレクサンダー・フォン・フンボルト財団研究員
日本学術振興会海外特別研究員
レディング大学心理学部講師
高知工科大学心理・教育工学研究ユニット客員研究員
レディング大学心理学部准教授(現在に至る)

授賞理由
「動機づけが学習に与える影響:マルチメソッド法によるアプローチ」
(Critical Roles of Motivation in Learning: A Multi-Method Approach)

  好奇心や興味に基づいて学習に楽しみを見出す内発的動機づけが、いかにしてまたどの程度学習促進に寄与するかについての解明は、従来から重要な課題として指摘されてきたが、教育現場でも学術的にも、必ずしも一貫した結果が得られていなかった。村山航氏はこの問題に対し、教育心理学、認知神経科学などの視点を取り入れ、縦断調査、行動実験、統計分析、計算モデリング、日誌法、脳イメージング、行動遺伝分析など、異なる分析手法を効果的に組み合わせて、体系的な知見を切り拓くことに成功した。たとえば、数学の学習に関しての長期縦断調査データを潜在曲線モデルによって分析した結果、内発的動機づけが現在ではなく後の学力に序々に影響を及ぼすこと、行動実験や脳イメージングなどにより、内発的動機づけが学習者の記憶を一定時間の後に高めるとともに、失敗に対する耐性向上や忘却メカニズムの抑制を通して長期的学習を促進すること、などを明らかにした。村山氏の研究は内外の教育現場に大きなインパクトを与えており、また教育実践に積極的に関わる活動を行っている点も高く評価される。国際的な活躍とあわせて、今後の更なる発展が期待される。

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