研究グループ名:
(英訳名)
社会変化と人間関係の諸相
( Aspects of human relations in social changes )
グループ長名:
(所属機関・部局・職)
佐藤 達哉
立命館大学・文学部・教授
研究グループの目的:
このグループはプロジェクト研究「ボトムアップ人間関係論の構築」の唯一のグループ研究であり、事実上同体となって研究を展開している。本研究は、医療・教育・福祉・法務など、生活の必要上そして制度上経験されるような人間関係を焦点にあてる。つまり上記の様々なサービスを一種の対人援助サービスと捉えなおした上で、その人間関係を水平的なものにするための提言を行う事を目的とする。また、学問と学問の関係、学問と社会の関係も人間関係から捉えることが可能であり、それを学融的研究と呼びそのあり方についても検討を行う。
参加している研究者は、科学史研究者、医師免許保持の医療社会学者、社会福祉士資格保持の福祉学者、法研究者などを含んでおり、それぞれの現場における人間関係の相克について検討し、その解決を共有することを目指している。3年間のプロジェクト研究の展開にあたっては、全国規模の年数回の研究会と、関西地区における1ヶ月1度程度の定期的研究会という両輪形式で研究を遂行する。
医療や教育における対人関係・対人援助の研究。これは実証研究であり、医師の役割と専門性・患者の期待に対する医師自身のとらえ方の研究や、社会福祉審議会における研究者のあり方の研究、東アジアにおける親子関係、フリースクールにおける共感の研究など、実証的な研究を行う予定である。
学融の方法論や評価法を科学社会学や科学史の問題として検討する。特に未来における評価としての学問史という観点から日本の学問史を総合的に構築する道を探る。また、学融の具体的領域として、環境保全、環境教育の領域における学融のあり方について検討する。環境問題は世界的問題かつ、人文社会系をまたがる問題であり、融的研究を実行しつつ学融方法論について検討するのに好適である。
オルタナティブ・オプションズの研究。過去2年間に暖めてきた構想であり、制度的サービスに対する人々の意識や生の声を実証的に捉える。その際に、制度的ではないサービスや知識を求めるのはなぜか?という観点(オルタナティブ・オプションズ選択)について検討することで、人々の意識を裏側から探る。選択肢の提示こそガバナンスにおける水平的関係構築のカギであるから、オプション構築についても扱うことになる。
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